バイヤー伝:ぎゅーとら・伊藤雅夫商品部長 商品MDは消費者や店舗目線で

2016.10.03 452号 10面
人気のプレミアムかつ丼

人気のプレミアムかつ丼

 ☆…伊藤雅夫氏はぎゅーとら入社30年の節目の今年、3月1日付で商品部長に就任し、旧職のマーケティング部も含め16の課を統括。これまでバイヤーの経験はない。だからこそ、マーケティングで培った消費者や店舗の目線を生かして商品部をより進化させる。

 この半年間、まずは商品部の動きをじっくり見た。多くの部員は、前年実績に固執していた。これまでマーケティングで重んじてきたことは、過去ではなく現在と未来。消費者が今何に関心が高く、今後何を求めていくのかだ。この時、自分のやるべきことが見えた。商品部とマーケティングの良い部分を融合させること。そしてテーマの一つは過去のしがらみからいかに脱皮できるかで、各課長と話し合った。9月から、本当の伊藤商品部体制が始動している。

 ☆…実家が砂糖中心の食料品店で、子どものころから商売人の父の背中を見て育った。店は兄が継いだので、伊藤氏は地元有力企業「ぎゅーとら」を選び86年に入社。4年間精肉を担当、副店長、店長を経て39歳で販促課長。約5年前に就任したマーケティング部長では、昨年導入した独自電子マネーの「コロカ」を先導した。

 ☆…今期は中期3ヵ年計画の2年目。食品部門のテーマは「クロスMDの強化」で、週1回必ず行っていく考えだ。

 また、新体制となり、各部門で新たな取組みが始まる。青果は産地とのコールドチェーン物流の構築を目指し、鮮度の良さを消費者に見える形にするため、まずはレタスの裸陳列に臨む。惣菜は同社の単品売上げナンバーワンの「かつ丼」(398円)のテコ入れを図り6月リニューアル、さらにヒレカツの「プレミアムかつ丼」(498円)を8月から新たに投入。6~8月の同商品群売上高は前年比13%増と好調だ。

 ☆…新たな取組みは失敗もあるかもしれない。それでも「失敗を恐れず挑戦する雰囲気を構築し、みんなで達成感を味わいたい」と先を見据える。

 (三重県鳥羽市出身、53歳)

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