焼肉特集 おもてなし焼肉:活躍する焼肉協会認定のソムリエ
全国焼肉協会では2016年から焼肉業界の発展と人材の育成を目的に、焼肉業界に従事する人たちの知識が協会の定める基準においてどのレベルにあるかの検定制度をスタート。焼肉協会の検定にはソムリエ、アドバイザーがある。今回、焼肉協会認定のソムリエ資格を取得し、現場で活躍する2氏を紹介する。
◆「焼肉のプロ」の説得力 ソムリエ監修メニューで注文数1.5倍
「焼肉家ごんたか」は、ブランド牛「尾崎牛」から輸入牛まで幅広い品揃えで、リーズナブルに楽しめる地域に愛されている店舗だ。ランチはサラダバー、ビュッフェなどがあるので主婦層が多く、ディナーはファミリー客が中心だ。
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「焼肉家ごんたか」では、お薦め日替わりコースを「焼肉協会認定のソムリエ・堀切達也監修コース」と名称を改めて販売したところ、今までの1.5倍の注文数になったという。同コースは、有名ブランド牛「尾崎牛」をはじめ、タン、カルビ、ホルモンなど同店自慢のメニューが少しずついろいろ食べられるのが特徴だ。価格は2500~3000円ほど。
「ソムリエという資格があると、従業員にもお客さまにも説得力がある。今までは、焼肉のプロといっても我流のプロ。しかし、協会の認定の資格を取得したことで世間に胸を張って焼肉のプロだと発信できる」と、堀切達也社長は語る。
「他の社員にもチャレンジさせたい」と堀切社長は意気込んでいる。今後は、他のホールスタッフもソムリエの資格を取得し、コースではなく、お客さまの要望を聞きながら「このお肉が、お客さまにはピッタリですよ」と自信を持って提案し、「食を通じてすべての人を笑顔にする」という使命(ミッション)を達成したいという。
●店舗情報
「焼肉家ごんたか」 経営=権享/店舗所在地=埼玉県吉川市木売新田5-1/開業=2014年12月/坪数・席数=85坪・102席(19卓)/営業時間=11時30分~15時、17時~23時、土・日・祝11時30分~23時。月曜休/平均客単価=昼1300円、夜3500円
●愛用資材・食材
「冨士クリップ 牛乳ソフトミックス」 守山乳業(神奈川県平塚市)
創業以来の愛用品
「25年前の創業以来、デザートのソフトクリームに愛用しています。ミルク感が強すぎず、いろいろなデザートソースとの相性もよい。デザートメニューの幅が広がります」と堀切社長。北海道産牛乳を55%使用し、牛乳本来のおいしさにこだわったミックス。
規格=1000ml/常温
◆店舗レベルアップの原動力に ソムリエ仲間増やしたい
赤門が展開する「黒毛和牛焼肉 凱旋門」は、黒毛和牛の雌牛のみにこだわった同社の高級ブランド業態で、千葉県に4店舗を展開。「凱旋門 奥の院 八千代緑が丘店」は、千葉の小京都をイメージした新コンセプトの店舗だ。
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「経験だけでなく、第三者が認定した資格を得たことで、従業員に肉の部位を教える場合も食肉文化の歴史から栄養素などまで、より深く自信を持って教えられるようになった」と語るのは、18年度「第3回焼肉協会の検定」でソムリエコースに合格した進藤伸幸店長。当然、この自信は接客にも生き、「部位の説明などでも会話の幅が広がった」という。また、同店限定コースとして「ソムリエお薦めコース」を検討中だ。「できれば最高価格のコースで。そうすれば焼肉ソムリエの認知度も上がるはず」と、進藤店長は意欲を語る。現在はレジ横に飾られた合格証を見て、「焼肉にもソムリエがあるんだ。スゴイですね」と声を掛けられることがある程度だという。
現在、赤門では焼肉協会認定のソムリエの資格を持つのは進藤店長一人。「もっと社内でソムリエの仲間を増やしたい。仲間で切磋琢磨し競うことで、お互いに成長し、お店のレベルが上がるはず」と進藤店長。社内受験者へのアドバイザーとしても精力的に取り組んでいる。
●店舗情報
「黒毛和牛焼肉 凱旋門 奥の院 八千代緑が丘店」 経営=赤門/店舗所在地=千葉県八千代市緑が丘西2-9-1/開業=2017年3月/坪数・席数=84坪・109席(20卓・24ロースター)/営業時間=11時~23時。不定休/平均客単価=5000~5500円
●愛用資材・食材
「岩塩プレート」 ヤマコー(岐阜県中津川市)
下味付け不要
「シャトーブリアンは、岩塩プレート付きで提供しています。岩塩プレートで焼くだけで程よい塩味が付いて焼き上がります」と進藤店長。素材はヒマラヤの天然岩塩。良質なミネラルがたっぷりで、スパイス不要のおいしい味付けに。また、直火ではないので焼きすぎの心配も軽減。
規格=12cm正角、厚さ1.5cm