数字で読み解くフードサービストレンド:伸びる朝食市場 会社員の利用がけん引
外食市場において、朝食が世界的に伸びています。エヌピーディー・ジャパンが提供する外食・中食市場情報サービス「CREST」によると、2022年4~6月期以降、朝食が伸びており、コロナ前の売上げを超えています。これは日本だけではなく、米国など世界的な傾向となっています。
飲食店を利用(イートイン、テイクアウト含む)した朝食の売上げは、19年同期比で22年4~6月に5%増、7~9月はいったん後退したものの、10~12月は同23%増と大きく伸長しました。約半数を占める会社員の利用が、特に増加しており、10~12月は同36%増で、朝食の成長をけん引しています。
朝食は、コロナ前から成長市場でした。理由としては、共働き世帯の増加、単身世帯の増加、自炊しない人の増加など、社会構造の変化と需要の変化が挙げられます。コロナ禍で他の食事同様に減少していたものの、通勤や出張などが通常に戻るにつれて需要が戻り、利便性の高い飲食店の朝食利用が増加したと考えられます。 昼食や夕食と比べ、比較的1人での利用が多く、コロナ禍で変化した行動の影響を受けにくいこと、客単価が低いこと、朝食に参入した飲食店が増えていることなども影響しています。
昼食は節約の影響、夕食はニューノーマルでなかなか成長しない中、朝食には今後も商機があるでしょう。
(エヌピーディー・ジャパン 東さやか)