海外通信 外食ビジネスの新発想(79)生地で具を包むダンプリングが人気
●メインにもデザートにも 組み合わせ次第で無限の可能性
英語でいうダンプリングとは、ギョウザ、シュウマイ、肉まんなど、具を生地で包み、ゆでたり蒸したり揚げたりしたもの。フィンガーフードで食べやすいことから、主にアペタイザーとして人気上昇中。最近は、スーパーで冷凍ものも買えるようになった。具材と皮、つけ汁を工夫すれば無限の可能性が広がる。その可能性の一つとして、今回紹介するのは「ダンプリングズNディップス」。メニューの組み合わせが、なかなかよく考えられている。
同店のダンプリングはタイ風だ。ちなみに、寿司の店はアメリカでも至る所で見かけるが、一般的に和食は高い。中華料理は量・値段共に消費者に親切だが、食べるためには行くけれど、ゆっくりと外食を楽しむために出掛けるような店はそれほど多くはない。その点、タイ料理は、値段はリーズナブルであっても、それぞれの店が小ぎれいで、外食として食事を楽しめることから人気だ。
同店では、ニラ、ポーク、チキン、タコ、サーモン、シュリンプ、マッシュルームとタロイモ、ポークと海苔という伝統的なダンプリング9種と「タイ風チキンのグリーンカレー」「チキンのパッタイ」「タイ風ポーク・バジル」「シュリンプとチキンのトムヤム」「カニ肉チャーハン」「タイ風マッサマンカレー」というシグナチャー・ダンプリング6種類を載せている。ディッピング・ソース(つけ汁)は「チリ・オイル」「スイート醤油」「スパイシー・ライムソース」「スパイシー・マラソース」の4種がある。
10個、12個、20個のバラエティーに富んだセットもあるが、どちらかといえばアペタイザーの位置付けのダンプリングだけでは、食事として物足りない。そのため同店では、ダンプリング&ヌードル(ダンプリング付き麺)のチョイスを用意している。これは、3段階のステップで、具だくさんのマイ・ヌードルを注文できるシステムだ。
まずは、ステップ1で好みのダンプリングを選ぶ。ステップ2で麺をケール・ヌードルにするかエッグ・ヌードルにするかを選ぶ。ステップ3でスープ・ヌードルにするかドライ・ヌードルにするかを選ぶ(すなわち、スープを注ぎ入れるか否かを選ぶ。どちらを選んでもスイート醤油とチリ・オイルのソースが付いてくる)。
また、ダンプリングは、中に入れる具次第でデザートにもできる。同店では、マンゴーともち米を包み、上にココナツ・クリームを絞り出したデザート・ダンプリングをメニューに載せている。ダンプリングは、具次第でいろいろな応用が利く可能性を秘めている万能選手だ。
●店舗情報
「ダンプリングズNディップス(Dumplings N’dips)」
所在地=5 St Marks Pl,New York,NY 10003
開店=2022年2月