世界のアマニから9 ドイツ篇 重さずっしりは、栄養ずっしりの証 ドイツの“黒パン”【PR】
日本人の主食は「お米」と言われていますが、
ドイツでは間違いなく「パン」。
一日三食、必ずパンを食べるそうです。
日本の米の消費量が年間約50kgなのに対し、
ドイツの国民一人当たりのパンの消費量は年間約90kgと、ほぼ倍です。
パンの種類は、日本でもおなじみの「ブレッツェル」など硬めのパンから、
クリスマスの定番「シュトーレン」、
揚げパンにあたる「ベルリーナ・プファンクーヘン」など
実に1500を超える種類があるというから驚きです。
中でも定番は、
ライ麦を使った“黒パン”です。
寒冷地のドイツでは小麦の栽培が難しかったため、
代わりに、寒さに強いライ麦を使ったパンが主流になりました。
ずっしりとした重量感ある仕上がりが特徴ですが、
この秘密は、小麦とライ麦の<ある違い>にあります。
それはグルテンです。
小麦粉から作られる“白パン”に含まれるグルテン。
穀物から生成されるたんぱく質の一種で、
穀物に含まれる「グルテニン」と「グリアジン」という2つの成分が水と合わさり、
グルテンになります。
「グルテニン」は「弾力」、
「グリアジン」は「粘り気」を生むのが特徴で、
この2つをもって、ふわふわの“白パン”が生まれます。
一方で“黒パン”のもとになるライ麦には、「グルテニン」がなく、
粘り気の「グリアジン」に似た「セカリン」が含まれるため、
あの、ずっしりとした重量感ある仕上がりとなるわけです。
ちなみに“黒パン”には酸味がありますが、
これは、パンの発酵に「サワー種」というライ麦の天然酵母が使われているためで、
このサワー種の酸味が、“黒パン”の独特の香りにつながります。
そんな“黒パン”には様々な穀物もトッピングされ、
ローストアマニ粒もその1つ。
ライ麦とアマニ粒 双方に含まれる食物繊維が“ダブルの力”となり
スッキリしたい時など、
医師からも薦められるそうです。
こんな“黒パン”が活躍するのが「ブッターブロート」。
バター(ドイツ語: Butter)とパン(ドイツ語: Brot)、
つまり「バターを塗ったパン」ですが、
ドイツ北部では、ソーセージやハム、チーズ、ジャムなどを乗せた
「オープンサンドイッチ」の意味でも使われます。
ライ麦パンにはほのかな酸味があるため、
チーズなど乳製品との相性は抜群。
塩気のある食材とも相性が良く、
イクラやオイルサーディン、レバーパテなどを塗れば、ビールのお供に、
ハチミツやジャムなどを塗れば、子どもたちもおやつとして大喜び。
ちなみに硬くなった“黒パン”をお湯に溶かして麦芽や酵母により発酵させ、
微量のアルコールを含むビールのような清涼飲料水を作ることもあるとか!
まさに“黒パン”はドイツの国民食です。
平岡直也(ひらおか・なおや)
新聞記者、出版社、放送局を経て、2020年4月「株式会社hasso.」を立ち上げる。企業や大学、地方自治体に「はっ、そう!」と思ってもらえるPR戦略を立案するほか、これまでの経験を活かし、フリージャーナリストとしても活動。池上彰氏と「池上彰と考える『死』とはなんだろう」(KADOKAWA)も上梓した。趣味は、「食べること」。仕事や取材で行った土地の料理と、“温泉”を必ず楽しむのがモットー。