食品経営者フォーラム、設立40周年記念講演 A&CO・三竹麻子社長迎え開催
●女性の活躍に期待
日本食糧新聞社主催の食品経営者フォーラムが2月22日に開催され、A&COの三竹麻子代表取締役社長が「女性活躍推進の理想と現実」をテーマに講演した。食品経営者フォーラムは今年10月で設立40周年を迎えるのを記念して今回、女性経営者・幹部を無料招待した。参加者は三竹氏による女性活躍推進の原動力などについての講演、BHPジャパン代表取締役社長・ガントス有希氏との女性活用事例のトークセッションを熱心に聴講した。会場参加者52人のうち、7割を超す38人が女性で、Web聴講者合わせておよそ100人が参加した。
三竹氏は「企業が女性活躍推進に取り組むべき理由として(1)投資判断では女性活躍の状況が重視されている(2)女性が活躍できる企業のPBRの平均値は東証一部平均よりも高い(3)役員に女性がいる企業のパフォーマンスは高い傾向にある(4)株価パフォーマンスの高さ(5)不正の防止(6)ミレニアル世代人材の獲得(7)ミレニアル世代人材の流出防止」を挙げた。しかし現状では「女性就職者は増えているが、管理職相当の女性割合はまだ低く、役員比率も国際的に見ると圧倒的に低い」と指摘した。
三竹氏は「女性活躍推進は現場だけに任せるのではなく、経営の責任の下に扱われるべき問題としての取組みが何より重要となり、男女問わずに管理職、リーダー、リーダー候補へのコーチングの実施が必要だ」とした。
第2部のトークセッションにはオーストラリア資源大手のBHPジャパン社長のガントス氏を迎え、三竹氏と女性の管理職登用などについて討論した。ガントス氏は「当社は2016年に前CEOが25年までに男女平等を達成するKPIを発表し、本日現在執行役員では50対50を達成、全体でも女性の比率が35%までになっている」とし、「それによって社内での会話が増えて、クライアントとも意思疎通が円滑に進み、好循環が生まれている」ことを紹介した。
講演終了後の懇親会では、参議院議員・山東昭子氏、WF-NET会長の大河原愛子氏の女性経営者に向けた激励のあいさつがあった。WF-NET会員の山瀬輝子氏(セブン&アイ・フードシステムズ監査役)、須藤記代氏(ストー缶詰代表取締役社長)、原田純子氏(メルヘン代表取締役社長)、田沼恵理氏(グリーンハウス代表取締役常務)、井上ゆかり氏(日本ケロッグ代表職務執行者社長)、筏由加子氏(リボン食品代表取締役社長)をはじめ、多くの活躍する女性幹部が集結した。(宇津木宏昌)