業界TOPICS:タイミー 「キャリアプラス」始動 正社員への就業支援

2024.04.01 542号 14面
タイミーの小川嶺社長

タイミーの小川嶺社長

 タイミーは2月22日から、新規事業「タイミーキャリアプラス」を開始した。同日、小川嶺社長は、同サービス導入事業者のヒルトンと日本通運とのトークセッションを都内同社で実施。キャリアプラスは働き手の資格取得・スキル習得、その先のキャリア形成、正社員としての長期就業支援を目的としたもので、日本通運では、キャリアプラスを利用して2月にタイミーワーカーから正社員に採用したという。

 キャリアプラスは、資格や経験にかかわらず、挑戦したい仕事ができるようになるための機会を提供するサービスで、希望者は「キャリア相談」や「資格や免許取得、スキル習得のためのリスキリング講座」を受けることができ、キャリア形成や正社員としての長期就業を支援するもので、インターンの仕組みと似ている。

 同社は「『はたらく』を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」ことを使命とし、スキマバイトサービス「タイミー」を提供してきた。これまで各業界での研修会・講習会の実施、2023年に新たに追加した「バッジ機能」など、働き手のスキルや実績を蓄積して可視化することに取り組んできた。

 同社が23年12月に発表した調査結果によれば、タイミーを通じて良い職場と出会えたら、そのままその職場に長期就業したいと考える働き手は7割以上だった。また、タイミーを通じて良い人材と出会えたら、そのまま長期採用をしたいと回答した事業者は、全体の9割以上だった。このことからタイミーキャリアプラスを着想したという。

 タイミーは18年の提供開始以来、700万人の働き手と9万8000社の事業者が利用するまでに成長し、人手不足の解消に貢献してきた。物流、飲食、小売業界での利用が伸びてきたことに加え、ホテル、農業分野でも大幅に伸長している。

 小川社長とヒルトン日本・韓国・ミクロネシア地区担当リージョナル人事業務統括本部統括本部長麻生周治氏、日本通運京都支店長岡本俊一氏とのトークセッションを行い、ホテル業界ではコロナ禍で大勢の退職者が出た一方、「きっかけがあるとすぐに忙しくなる。その時に人材が足りなくタイミーにアプローチした。最初は客室清掃など裏方から、今はキッチンのサポート、エグゼクティブラウンジのサービスなどで活躍いただいている」と麻生氏は話した。物流業界では「人が集まりにくく波動が大きい。最初は春の引っ越しで(タイミーの利用を)始め、倉庫内の作業、事務所の伝票作業をやっていただいている。リピーターの中から正社員になりたい方がいらっしゃるのではないかと、キャリアプラスで社員になっていただいた人がいる」と岡本氏は話した。

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