メニュートレンド:日本酒の新しいアテ「串餅」 コメつながりで訪日客に人気
2025年の訪日客数が、初めて4000万人を突破するなど、インバウンド市場の勢いは衰えを知らない。飲食業界でも彼らをターゲットにしたユニークな商品が次々と登場している。東京・浅草の日本酒バー「半兵衛茶寮 浅草」では、コメが原材料という共通項を持つ「日本酒」と「餅」を組み合わせる提案で、日本食の魅力の新たな一面に光を当てている。
●多彩なトッピングで酒肴に好適
同店が入居するビルは、各階で餅つきと甘味、茶道、書道、日本酒をそれぞれのフロアで体験できる日本文化体験型施設だ。最上階の4階で日本酒バーを経営する駒村修平オーナーは、一品料理に餅を採用した理由について次のように答える。
「1階の店頭で餅つきをしていますが、訪日客のアクティビティーとして大人気。そこで当店でも餅をフードに組み入れることで、施設のコンセプトを強調できると考えました」。
日本酒と餅を組み合わせる店はほとんどないが、どちらもコメを原料とした伝統食であるため、訪日客に説明しやすい。また、食べ合わせも相性が良いことが商品化の後押しとなった。
串餅のラインアップは10種類。海苔と醤油で食べる王道の「いそべ串餅」、洋食スタイルの「生ハムキャビア串餅」、スイーツ感覚の「キャラメルナッツ餅串」など、実にバラエティー豊か。馴染みのないスタイルゆえに、メニュー開発の際、合わせるトッピング選びに難航したのでは、と思うところだが、「どんな食材と組み合わせても食べ合わせが悪いということがない。餅の懐の深さを実感しますね」と駒村オーナーは評価する。
販売状況を聞くと、来店客の出身地域によって異なるそうだ。ヨーロッパ系の客には「チーズ」が、米国系は「キャラメルナッツ」が人気。意外な傾向を見せるのが「生ハムキャビア」で、韓国からの訪日客に好評なのだとか。
串に刺して焼くスタイルを採用した理由について駒村オーナーは、「卓上コンロで客がセルフで焼いて食べるスタイルですが、箸で焼き立て熱々の餅を取るのはハードルが高い。解決策としてハンディに扱える方法を採用しました」と説明する。開発当初は小型の七輪を用いて炭火で焼いていたが、火力が安定せずに焼きムラが出てしまうためガスコンロに変更した。
餅は1階の餅屋から仕入れる。表面が乾燥して硬くなりはじめた状態が串を打ちやすい。廃棄ロスの削減にも貢献でき、ウィン・ウィンの活用法だ。「串餅は、食べ歩きにも適した提供法。テイクアウトや露天販売にも挑戦してみたい」と駒村オーナーは展望する。
●店舗情報
「半兵衛茶寮 浅草」
所在地=東京都台東区浅草1-15-3 魚浅ビル4階/開業=2025年7月/坪数・席数=15坪・20席/営業時間=平日17時~深夜0時、土日・祝日・祝後日12時~23時。水曜定休/平均客単価=4000円
●愛用食材・機器
「繁昌店 すき焼のわりした」 ヤマサ醤油(千葉県銚子市)
訪日客が好むシンプルな甘辛さ
「訪日客は欧米系もアジア系も、シンプルな甘辛さを好む」と駒村オーナーは同品を採用。「千葉出身の私にとって慣れ親しんだ風味」でもあるそうだ。「牛すき焼き餅」やコースのメイン料理「黒毛和牛のすき焼き」など幅広く活用している。
規格=1.8L(常温)













