数字で読み解くフードサービストレンド:居酒屋で男性15~29歳の比率が増加
●食べ物の質重視
コロナ禍を経て、最も影響を受けたのが居酒屋業態でした。アフターコロナで、居酒屋の利用状況はどうなったのでしょうか。サカーナ・ジャパン(エヌピーディー・ジャパンから社名変更)が提供する、外食・中食市場情報サービス「CRESTR」によると、「居酒屋+バー」の2023年の食機会数(客数)は、19年の6割程度でした。居酒屋の店舗数が減少したこと、リモートワークの定着で夜間の行動が変わったことや、会社の飲み会や付き合いがなくなったことなどで、居酒屋の利用状況が変わったことが影響しています。
ランチやデリバリー・テイクアウトも含む「居酒屋+バー」の利用者(喫食者)をコロナ前と比べてみると、最も比率が高く16%を占めていた男性60~79歳の比率が3ポイント減少し、13%になりました。
一方で男性15~29歳の比率は2ポイント上昇し12%になりました。女性比率も増加しており、女性60~79歳の比率が増加しました。若者のアルコール離れが言われていますが、男性15~29歳の「居酒屋+バー」におけるアルコール飲用率は、コロナ前に比べ大幅に下がっています。喫食人数も1~3人が増加しました。
店舗を選ぶ理由は、価格や立地の理由が減少し、食べ物の質やお目当ての料理が動機になることが増えています。居酒屋は、飲むシーンだけでなく、食べ物の質やメニューのブラッシュアップが若者層の取り込み、集客につながるでしょう。
(サカーナ・ジャパン 東さやか)