アポなし!新業態チェック(214)「CAFE BRICCO muffins」府中店
●HC「カインズ」がマフィン専門店 既存カフェで人気の看板商品を独立のテイクアウト店として出店
ホームセンター大手カインズ傘下のカインズフードサービスが、新業態のマフィン専門店「CAFE BRICCO muffins(カフェブリッコ マフィンズ)」を、東京・府中市の商業施設に出店した。
同店は、カインズフードサービスがホームセンター「カインズ」店舗内を中心に65店舗ほどを展開しているカフェ「カフェブリッコ」の派生業態。同カフェの看板商品であるマフィンのみを単独で販売するテイクアウト型の専門店である。
2015年に同カフェの鶴ヶ島店で販売を開始したマフィンが評判を呼び、全店で年間550万個を売る人気商品となった。これまでに累計で2800万個を販売しているという。同社が独自に開発した、ふんわりとした食感と小ぶりなサイズが人気の秘密だ。
同店で販売するマフィンは約20種類。「プレーン」(185円)や「チョコプレーン」(195円)などのベーシックなものから、「レモンシュガー」(240円)、「ミルキーベリー」(260円)、「オレンジ&ヨーグルト」(280円)といった、さまざまなトッピングやアレンジを加えたスイーツ系のアイテム、「アスパラベーコン」(280円)のような食事系のアイテムまで幅広い。ほかにも、「完熟バナナ」(260円)、「オランジェット」(300円)など、同店限定や期間限定のアイテムをいくつか取り揃える。
同社では、同店の動向を踏まえて、将来はイートインのできる店舗の出店も計画しているようだ。
(価格は税込み、商品と価格は臨店時点の情報)
★けんじの評価:外食・中食・小売のボーダレス化を象徴
カインズはベイシアグループに属している。同グループは、食品スーパーやスーパーセンター(非食品も販売するスーパー)などを核として量販店型の商業施設を展開するベイシアを中心に、カインズ、ワークマン、ハンズ(旧東急ハンズ)、カインズフードサービスなど、30社が集まる流通企業グループ。20年にはグループ全体で売上高1兆円を突破した。
カインズフードサービスは「カインズ」や「ハンズ」の店内を中心に、「カフェブリッコ」のほか、「カインズキッチン」や「鯛あん吉日」「やきもの本舗」などを100店舗以上展開している。外食業界ではなじみが薄いが、今回の出店の背後には巨大な企業グループの存在がある。
事前に大きな告知はなかったようだが、同店にはオープン早々から会計待ちの行列ができるほどで、まずまずの滑り出しといえるだろう。臨店して気になったのは、店頭のショーケースにしか商品価格が掲示されていないこと。置いてあるリーフレットにも、公式サイトにも価格は記載されていない。既存のカフェで販売しているマフィンよりも品質が向上しており、少し異なった価格設定となっているようなので、そのせいなのか。
また、包材として3個入りの紙袋と6個入りの紙箱があるのだが、全体をまとめる手提げ袋のようなものは用意していないようだ。そのため、10個まとめて購入すると紙箱を2つ手渡されたりする。おそらくこれはいずれ解消されるのだろうが、うれしい誤算ということなのかもしれない。
◆外食ジャーナリスト・鷲見けんじ=外食チェーン黎明期から、FFやFRなどの動向を消費者の目線で見続けてきたアンチグルメな庶民派ジャーナリスト。顧客の気持ちを外食企業に伝えるべく、甘口辛口を取り混ぜた乱筆乱文でチェーンの新業態をチェック。朝マックとロイヤルホストのカレーフェアをこよなく愛する外食ウオッチャー。
●店舗情報
「CAFE BRICCO muffins」府中店
開業=2025年4月8日/所在地=東京都府中市宮町1-41-1専門店街フォーリス1階
●編集協力:株式会社イートワークス
http://www.eatworks.com/