数字で読み解くフードサービストレンド:成長市場の外食業態の朝食
●昼食より利用頻度が高い
2023年7月~2024年6月計の外食業態における朝食市場規模は、5190億円で、前年同期比9.2%増、コロナ前の5年前同期比22.0%増と、大きく市場が成長しています(外食・中食市場情報サービス「CREST」より)。
サカーナ・ジャパン(エヌピーディー・ジャパンから社名変更)が提供する、『ジャパンフードサービスレシートトラッキング』によると、24年4月~25年3月計の朝食の利用状況を主要チェーンごとに見てみると、牛丼チェーンAの一人当たりの年間利用平均回数は、朝食が3.75回、昼食が2.54回で、朝食が昼食の約1.5倍多いことがわかりました。他の主要チェーンの多くでも朝食の利用回数が昼食より高いことが分かります。朝食は、共働き世帯の増加、単身世帯の増加など、社会構造の変化やニーズの変化により成長しています。
コロナ後に夜遅くの客足が減ったり、営業時間を短くした飲食店も多い中、朝食に活路を見出し、力を入れる企業も増加しているようです。朝食時間帯の利用は、同じチェーンを習慣のように使う人が多いと考えられ、ヘビーユーザー獲得と、利用頻度増加により客数増が見込めます。朝食の開始・強化は飲食店にとって、客数増加のオポチュニティがあるといえるでしょう。
(サカーナ・ジャパン 東さやか)