飲食店独立開業特集:FC編・齋藤康宏さん「本家かまどや」
持ち帰り弁当FCチェーンである「本家かまどや」は、“あたたかくておいしいお弁当”で地域社会に貢献することを基本理念として、昭和55年からFC展開を始め、現在、全国に二六〇〇余店を出店している。
本家かまどやのFC加盟店である赤羽神谷店は、JR赤羽駅から徒歩一〇分ほどのところにある。平成9年9月にオープンし、店舗面積一三坪、オーナーの齊藤康宏さん(38)ご夫婦と五人の従業員で運営している。
齊藤さんは、学生のころから接客、サービス業が好きで、いつかは独立開業する思いを持っていた。企業の社員食堂などの委託業務を専門とした飲食業の会社に勤めていた時に、大けがをして一ヵ月休養をとった。この間、ゆっくり考える時間ができ、FCを活用したローリスクでの独立を具体的に検討し、気持ちは固まった。勤めていた会社で、外食産業におけるあらゆる業務もこなし、独立する自信を持っていた。
そして、食を通じた雰囲気のなかで、人とのコミュニケーションがとれる庶民的な商売を始めたいと思い、本家かまどやに加盟。本家かまどやは関西が中心であり、首都圏ではまだ店舗数が少なく、これからの成長に挑戦していく意気込みもあった。齊藤さんは、体力的にも金銭的にも将来に不安を持ってはいる。
しかし、サラリーマンと違って、すべての責任のもと、経営者としてさい配を振るい、結果を出すことにやりがいを感じている。今は一店舗で個人経営であるが、今後は、法人化をして店舗を増やしていく予定だ。
◆開業資金内訳=保証金一〇〇万円、内外装工事費七〇〇万円、什器・設備費三〇〇万円、その他二〇〇万円、合計一三〇〇万円
◆「本家かまどや」赤羽神谷店/オーナー=齊藤康宏(38)/所在地=東京都北区神谷二‐四〇‐七、03・5249・7074/開店日=平成9年9月/営業時間=平日・午前10時~午後11時、日曜祭日・午前10時~午後10時、第三日曜日定休/坪数=一三坪/平均客数=一三〇人/客単価=七二〇円/平均月商=三〇〇万円/従業員数=七人