いま話題の新刊書:土井善晴著『日本の家庭料理独習書』
昔から家庭料理は、祖母、母親から代々受け継がれてきた。ところが「こうした風習もだんだんと薄れ、家庭料理の知識は失われつつある。同時に日本料理の基礎である調理の手加減、味付け加減、調理のコツなどもなくなってきた」と危惧する筆者。
同書は、戦後日本の家庭料理の基礎を築いた料理研究家である父・土井勝氏から受け継ぐ日本料理の基本を「日本風土が育んだ先人の知恵として見直していきたい」との思いで上梓したもの。
内容は家庭料理の基本、煮染め、炒め煮、煮つけなどに始まり、魚の下ごしらえ、切ること、塩漬け、天ぷらなど七五項目に分け、母親が教えるがごとく分かりやすく、しかもポイントをおさえて説いている。
また、これに合わせ毎日のおかずから正月料理までの実践レシピ一八三品も満載する。
▽高橋書店、B5判、一六〇ページ、一六〇〇円