ヘルシートーク:料理家・料理インスタグラマー あこさん
◇毎日のごはんづくりがラクになる! 簡単&時短レシピで気持ちに余裕を
3人の男の子を育てながら「ごはんづくりを少しでもラクに、家族が笑顔であるように」と、時短でボリューム満点のレシピをインスタグラムで発信している料理家のあこさん。忙しい日々の味方になる簡単調理のワザ、レンチンや食材1~2品でつくる野菜を使った副菜レシピを教えていただきました。
●家にある食材や調味料で“私でもできる”レシピを発信
もともと料理は好きだったのですが、出産後は子育てをしながら、ごはんをつくっては片付けるのを繰り返す日々。離乳食づくりも重なって「料理なんて、なければいいのに…」と思うほど、嫌になった時期がありました。
そんな時、SNSを通して発見したのが、時短調理や簡単レシピ。その方法を取り入れるうちに、また料理が楽しくなって、自分でレシピを考えるようになったんです。「この料理で今度は誰かを救えるかもしれない!」という思いから、インスタグラムで発信するようになりました。半年ほど経つと、フォロワーさんが15万人にも増えて、正直、気持ちが追いついていかなかったですね。
レシピを考えるうえで一番大事にしているのは、誰でも簡単につくれること。食材や工程が多いと面倒になってしまうので、できるだけ少なくし、家にある調味料で、ズボラな私でも「これならできる!」と思えるレシピを発信しています。
よく使う調理ワザの一つが「もんで焼くだけ」。最初に、食材と調味料を袋に入れて下味をもみ込んでおくので、焼くだけで一品が完成します。前日や朝にもみ込んでおけば、帰宅後が本当にラクで、時間と気持ちに余裕が生まれるんですよね。
以前はフルタイムで働きながら、5人分の食事をつくっていたので、このワザを取り入れたレシピに、私自身が何度も救われました。
家族みんなが大好きなのが、みじん切りにした長ねぎと調味料をあえるだけの「油淋ダレ」。このタレさえかければ、肉や魚はもちろん、生野菜も間違いなくおいしくなるので、活用することが多いですね。
●レンチンでホクホクになる「かぼちゃのそぼろ煮」
「切ってあえるだけ」と2ステップでつくれるのが野菜を使った副菜レシピです。中でもおすすめは、「長いもの梅しそあえ」。長芋は、フォークで刺して固定し、ピーラーで皮をむいたら、そのまま袋に入れてめん棒で叩き割るので、手がかゆくなることがないんです。著書では丁寧な作り方を紹介していますが、袋に梅干しを入れて叩き、手でちぎった大葉を加えれば、包丁を使わずにつくれます。子どもたちは長芋を叩いて割るのが楽しくて、張り切って手伝ってくれますね(笑)。
食材1つで簡単にできるのは「丸ごとピーマンお浸し」です。種もワタもとらず、そのままピーマンを手でつぶして耐熱容器に入れ、くたくたになるまでレンチンするだけで、甘みが引き立ち、ジューシーになるんです。子どもたちもパクパク食べてくれるので、ピーマンをたくさんいただいた時は、ひたすらつくっています。
水菜が苦手だったのですが、「水菜とハムのマヨサラダ」をつくったのがきっかけで、おいしいと感じるようになりました。水菜をマヨネーズ、ポン酢、砂糖、すりごまであえると、水っぽくならず、苦みがまろやかになるので、子どもたちもよく食べてくれるんです。
これからの季節にぴったりなのが、レンチンでホクホクになる「かぼちゃのそぼろ煮」。煮物は鍋でつくるものだと思っていたので、レンジを使えば時短でできると知ってから、すごくハードルが下がったんですよね。かぼちゃがかたくて切るのが大変な場合は、最初にレンチンしてやわらかくしてからひと口大に切って、ひき肉と調味料を加えればつくりやすいと思います。
●実家の畑で収穫した大根でつくるおでんは最高においしい!
れんこんは、煮物にする方が多いと思うのですが、私が好きなのはれんこんサラダ。梅干しとマヨネーズであえたら、すごくおいしくて、「梅マヨれんこん」のレシピができました。れんこんは薄めに切って酢水にさらしてシャキシャキ感を残し、かつお節としょうゆも加えるので和風に仕上がります。子どもたちが好きなのは、れんこんを炒めてから味をからめる「甘辛れんこん炒め」。長男は「れんこんだけで、ごはんがすすむ」というほどお気に入りです。
義理の実家では大きな畑で野菜をつくっているので、毎年、冬になると、大根を収穫させてくれるんです。大きな大根なので、三男はやっとこの前の冬、1人で抜けるようになったほど。子どもたちは収穫が楽しくてたくさん抜くので、食べ切れないほど持ち帰ってくるんですよね。その大根をいっぱい入れて、大きな鍋でつくるおでんが最高においしくて、子どもたちも自分で抜いた大根だから、うれしそうに食べています。
最近、子どもたちが料理を手伝ってくれることが増えてきました。三男は、手伝いなのか邪魔しているのか分からないんですけど(苦笑)。将来、料理ができる大人になってほしいなと思いながら見守っています。毎日私の姿を見ているからか、料理をつくって写真を撮るところまで真似してましたね(笑)。
ごはんづくりは日々のことなので、頑張りすぎないことが大事だと思っています。しんどいなって時は、お総菜を買ってきたり、外食をする日もあったり。夫や両親にも協力してもらっています。
毎日、バランスのとれた食事でなくても、簡単においしくできるごはんで、家族みんなが笑顔になれば、それでいいかなと思っています。
◆プロフィル
1988年生まれ、長野県在住。9歳、7歳、5歳の3兄弟の母。何よりも食べることが大好き♪ 2024年2月よりInstagramで“家族が笑顔になる簡単レシピ”の発信を始め、フォロワー数は22万人超(2025年8月現在)。Bestof Nadia 2024新人賞受賞。
●NEWBook
『100万人が保存した!家族に大好評な あこの簡単ごはん』あこ著/宝島社 定価:1496円(税込)












