電化厨房最前線(8)しゃぶしゃぶ・日本料理「木曽路」用賀店
しゃぶしゃぶと日本料理の「木曽路」は、現在30店舗。全店に天板埋め込み式のIHテーブルを採用、客席電化を積極的に進めている。各店からは「テーブルの上がすっきりして店の雰囲気がよくなった」「メンテナンスが楽で助かる」など採用を喜ぶ声が大きいという。「用賀店」で現場の声を聞いた。
「木曽路・用賀店」は昭和62年10月に都内一一号店として開店。しゃぶしゃぶ(平日昼は二五〇〇円から)や季節ごとの会席料理(三八〇〇円から)などメニューが豊富だ。またこの店独自に生簀(いけす)を用意しての伊勢エビの姿づくり(三八〇〇円)やマダイの姿づくり(二八〇〇円)など新鮮な刺身料理も呼び物になっている。
平日の昼は女性グループ客、夜はサラリーマンの会食や接待でにぎわい、週末はファミリーや若いカップルが多い。個室が完備されているので会合や慶事などに利用できることも近隣客のニーズを満たしている。
広間一六卓、個室六卓、テーブル席一八卓の計四〇卓一六八席。平成12年7月に全テーブルをIHテーブルに切り替えた。
「安全性と衛生面を考えて電化を採用しましたが、電化のメリットは予想以上に大きかったですね」と語るのは、店長の落合功次さん。
「ガス使用の時は真ちゅう製のコンロを使っていました。真ちゅうのコンロは手入れが大変で、その作業だけでも毎日営業終了後に一時間以上かかっていました。電化はテーブルの上を拭くだけできれいになりますから、掃除の時間と手間が全くかからなくなりました」と電化のメリットを語る。
店のIHテーブルには卓上に操作パネルも埋め込まれているため、操作が全て卓上でできるのも便利だ。
「電化は立ち上がりが早いうえに鍋の温度の管理も簡単です。それに食事の後には鍋を下げてしまえば、テーブルの上がすぐにかたづきます。そのうえ余熱が出ませんから店内の空気にも清潔感があります。電化採用で、以前より店全体が落ちついた印象になりました。その分、お客さまにもくつろいでいただけます」
電化は店の雰囲気づくりにも大きく貢献しているといえる。
季節ごとに料理に趣向を凝らし、6月には「父の日ビヤカッププレゼント」や「京都味巡りフェア」を開催するという。
◆店舗メモ
「木曽路・用賀店」(東京都世田谷区上用賀五‐五‐六、電話03・3707・8612)営業時間=平日・昼午前11時30分~午後3時(ラストオーダー午後2時30分)、夜午後5時~10時30分(ラストオーダー9時30分)日曜・祭日は昼夜の通し営業/調理スタッフ三〇人(うち社員七人)、サービススタッフ四〇人(うち社員五人)/使用機種=電磁テーブル三φ二〇〇v一・四キロワット四〇台
◆現場からの声 落合功次店長
電化は安全性の高さが一番のメリットです。余熱で鍋の周りが熱くなることがありませんから、子供さんが手を出しても安心です。
例えいたずらをしてスイッチを押してしまったとしても鍋がなければ作動しません。IHテーブルは、小さいお子様連れのお客様にも落ち着いて食事ができる場所と時間を提供することができます。
当店のIHテーブルは卓上で簡単に操作ができますから、お客様のなかには「このテーブル欲しいのだけれど、どこで買えるのか、いくらぐらいなのか」とよく質問されます。それをきっかけにお客様とも親しくなれるのもIHテーブルの良いところだと思います。