この一品が客を呼ぶパスタ編・札幌:「小麦の家」
今年5月、札幌市中心部のオフィス街にオープンした「小麦の家」は、釜焼きピッツァと手作りスイーツが売りのイタリアンレストラン。北海道とイタリアの食材を合わせて作る料理が評判で、既にリピーターも続出している。そんなファンの間でこの夏、人気を集めているのが「千歳産フルーツトマトとパルマ産プロシュートの冷製カッペリーニ」。8月末までの夏期限定メニューだ。
「冷やむぎ感覚の冷たいパスタです」と、キッチンスタッフの藤田啓さんも一押しする「千歳産フルーツトマトとパルマ産プロシュートの冷製カッペリーニ」。
太さ0・3mmの細麺カッペリーニをサッとゆで、水にサッとさらしてソースとあえるという、本場イタリアにはない、日本のオリジナルの料理だ。
このパスタを、おいしく仕上げているポイントは三つある。
まず、糖度を指定して仕入れるという、千歳産のフルーツトマト。旬の今は、糖度10くらいが平均。一つ一つ丁寧に湯むきして使っているため、パスタやソースにもよくなじみ、トマト本来の甘酸っぱさが堪能できる。
二つ目は、オリーブオイルに、ニンニクとバジル、松の実、つなぎに少々のトマトの水煮、そして隠し味にはちみつを加えて作るソース。
こちらは、注文が入ってから作るのではなく、少量ずつ作り置きをして使用。理由は、オリーブオイルに、ニンニクとバジルの風味を染みこませるため。そうすることによって、風味が増し、味が落ち着くのだという。
そして最後のポイントは、プロシュートを載せた後、仕上げにふりかけるオリーブオイルだ。
「これが、トマト、プロシュート、ソースの三つの風味をまとめる役割をしています」と、藤田さん。
この店では、料理によって4種類のオリーブオイルを使い分けているが、ここは、なかでも一番香りのよい「ステュポール・ムンディ」を使用。フレッシュな香りが、料理を一層、夏らしく仕上げている。
◆釜焼きナポリピッツァと手作りケーキ工房 小麦の家(札幌市中央区北1西3、札幌MNビル2階、電話011・252・2231)営業時間=午前11時~午後11時、無休/席数=96席
◆食材の決め手:エキストラ・ヴァージン・オリーブ・オイル ステュポール・ムンディ バルベラ(日欧商事(株) 東京都港区)
イタリア料理に欠かせないオリーブオイルだが、「小麦の家」では、料理によって4種類を使い分けている。
「千歳産フルーツトマトとパルマ産プロシュートの冷製カッペリーニ」の仕上げに使うこちらは、そのなかでも一番香りがよく、クセがないタイプ。
藤田さんは、「トマトにも似た、青っぽい香りと風味が気に入っています」と話す。