中食・外食の新健康キーワード「メガ3脂肪酸」 生活習慣病予防にクルミを
オメガ3脂肪酸をバランスよく含むクルミが脚光を浴びている。オメガ3(n-3系脂肪酸)は、生活習慣病予防のため積極的にとりたい栄養素として「食事摂取基準05年版」で推奨されている多価不飽和脂肪酸。クルミの健康効果は心疾患や糖尿病への有用性など多くの臨床試験で明らかにされており、今後、中食・外食の健康訴求キーワードとして注目度が高まることは必至だ。
このほど開催された「カリフォルニアくるみコンベンション 健康フォーラム」で板倉弘重・茨城キリスト教大学教授は、生活習慣病の原因として話題の“メタボリックシンドローム”を解説し、クルミ摂取の有効性を述べた。
「メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪の蓄積が、高血圧・高血糖・高脂血症を誘引し、複数の生活習慣病を合併しやすい状態を示す。健康診断では正常値よりやや高めとされるだけで病気と診断されないが、心筋梗塞や脳梗塞の危険度が非常に高い状態だ。内臓脂肪対策の基本は食事と運動。だが、やみくもに低脂肪食にすると、飢餓状態からかえって肥満を増長させることも。実は脂肪は上手に取る方が太らない。肝心なのはバランスだ。それには多価不飽和脂肪酸のオメガ3などをバランスよく含むクルミなどの食材を毎日適量摂取することが大切」
オメガ3は、体内で分解されてEPAやDHAに変わる。血中中性脂肪値の低下、不整脈の発生予防、血管内皮細胞の機能改善、血栓生成防止作用などが認められている。
コレステロール低下や、心疾患リスク軽減など、クルミの健康効果はさまざまな臨床データで明らかになっている。米国では、ひとつかみ(42g)のクルミを毎日食べ、バランス良い脂質摂取を心掛けることが生活習慣病予防につながると推奨されている。
糖尿病・肥満者の増加が止まらず、中食・外食での栄養指導が強化される風潮の中、クルミを含んだメニューはヘルシー訴求の切り札となろう。
取材協力:カリフォルニアくるみ協会 http://www.californiakurumi.jp/