アプロ、新発想の殺菌水生成システム2タイプ開発
殺菌水生成装置開発・販売の(株)アプロ(東京都目黒区、電話03・5434・8480)は、次亜塩素酸ソーダに炭酸ガスを混合することで生成水のPH値を安定させる新発想の殺菌水生成システム「HACCP‐MAKER」を12月にも発売する。年間200台ベースの販売を目指している。
次亜塩素酸ソーダを使用する従来の装置では通常、アルカリ域にある次亜塩素酸ソーダに希塩酸などの酸性系の薬液を混合して、PH値を5~5・5の範囲に固定することで高い殺菌力を得る。しかし、調整範囲が狭く、安定したPH値を維持することは難しかった。また、希塩酸の過剰注入や薬剤交換時の扱いでミスをした場合には塩素ガスが発生し、事故を招きやすいという危険性もはらんでいた。
HACCP‐MAKERはPHを調整する緩衝剤として炭酸ガスを使用し、希塩酸などによる従来のシステムと比べPH値に対する緩衝性が高く、5・0(塩素濃度50ppm)~7・8(同200ppm)という非常に広い範囲で安定した殺菌力を得ることができる。たとえ炭酸ガスが過剰注入された場合でも、緩衝作用で殺菌水のPH値が4・5以下まで下がることはないため、塩素ガス発生の危険性がない。
殺菌力は次亜塩素酸ソーダの6倍以上。殺菌水生成時のPH値を弱酸性側にシフトしたため、殺菌主成分である次亜塩素酸の含有量が増え、強い殺菌力を得られる。
精密なPH調整を行わなければならないコントロール装置を簡易化できたことなどにより、コストパフォーマンスにも優れている。主に飲食店の厨房や小規模な食品工場などに向けて開発したVA‐10(生成量700リットル/h)は本体価格1台136万5000円(税込み)で、従来の同等の殺菌水生成システムと比べ2分の1~3分の1という低価格を実現した。
食品工場専用の高濃度大量生成タイプとして生成量1500リットル/h(吐水圧0・15MPa以上)のVA‐100も用意した。価格346万5000円(税込み)。ラインコンバーターとの連動が可能のほか、外部通信にも対応している。
同製品は10月5日から行われた「食品開発展2005」にも出展され、安全性の高いシステムとして来場者からも強い関心を集めていた。