EUが認証マークで品質保証・保護 ヨーロッパ本物の味

2006.03.06 311号 16面

フランスの若草のように香る一番絞りのエクストラバージン・オリーブオイル、イタリアの極薄の乾燥牛肉、ヤギの乳から作られたギリシャのクリーミーなチーズ、ベルギーの芳醇なビールなど、ヨーロッパのすばらしい食品は日本人の味覚を長い間魅了し続けてきた。

個性豊かな各地方の食材は、地域の特色や独特の風味を消費者に堪能させてくれる。また、何代もの間受け継がれてきた伝統的製法によって生み出された製品は、歴史がはぐくんできた本物の味を楽しむことができる。

1992年、欧州連合(EU)は、EUの伝統や地域性に根ざした食品を認証する、品質認証システムを創設した。「品質認証」(Designation of Quality)マークは、指定地域で生産された食品、あるいは特定の製法で作られた食品の名称を保護している。保護対象となっている製品はすべて、原産地に根ざした文化や伝統が製品に独特の影響を与えているものばかりである。

EUは、この品質認証システムのインフォメーション・キャンペーンを日本で展開しており、こうした食品は購入しやすくなってきている。

◆品質認証(Designation of Quality)マーク

◇PDO(原産地名称保護)

PDOマークは最も厳しいもので、特定の地域で伝統的な製法によって生産・加工・調整された食品を表す。原材料から完成品になるまで、製品名にうたわれている地域で定められた製法で生産・加工されていなければならない。

◇PGI(地理的表示保護)

PDOに比べてやや緩い基準によるもので、製品名にうたわれている地域で生産されている製品。生産・加工・調整の過程のうち1工程以上に地理的な結びつきがあることが必要。

◇TSG(伝統的特産品保証)

3つのラベルのうち最も基準が緩やかなもので、原産地ではなく、組成または製法の伝統性を認証する。

◇Organic Farming(有機農法)マーク

化学合成肥料や化学合成農薬、遺伝子組み換えを用いず、環境にやさしい製法を用いた食材に記すことができるマーク。環境保護や動物福祉に共感する多くの消費者に支持されている。

◆多彩な“EU認証食材”の一例

◇ハモン・セラーノ(スペイン/TSG認証)

白豚で作られるこのハムはスペイン全土で生産されている。EUの基準では伝統的な製法で作られていることだけが規定されており、9ヵ月以上熟成され、塩漬けで210日間乾燥された、切り分けていない、または骨付きのものを指す。

◇コンテ(フランス/PDO認証)

フランス・コンテ地方で作られる「コンテ」は、ジュラ山脈特有の気候風土と伝統製法から生まれた。モンベリアルド種、ピ・ルージュ・ド・レスト種の牛の生乳を原料に、熟成は生産の日から90日以上、熟成庫は温度19度C以下、湿度92%以上が条件。

◇スティルトン(イギリス/PDO認証)

世界3大ブルーチーズの1つで、レスターシャー、ダービーシャー、ノッティンガムシャー地方で、脂肪分の高い牛の全脂乳から作られ、8~15週間が熟成期間。青カビを入れないものがホワイト・スティルトンで、熟成期間4週間以内に販売される。

◇シティア・ラシスィウ・クリティス(ギリシャ/PDO認証)

コロネイキ種のオリーブが100%使用され、クレタ島「シティア市」は、収穫からオリーブの輸送、シティア圧搾場での処理はすべてが3日間以内に行われる。収穫からのプロセスは、常に30度C以下の温度が保たれ品質が保守される。

◇オーガニック・チキン(フランス/有機農法)

フランス最大のロワール河流域に広がる肥沃なペイ・ド・ラ・ロワール地方のメルベントは、ヨーロッパにおけるオーガニック・チキン先駆けの地として有名。

◇シュタイアマルク産パンプキンシードオイル(オーストリア/PGI認証)

エキストラヴァージン100%ピュア無添加の同オイルは、オーストリアの豊かな台地がはぐくんだペポカボチャの種から作られる。搾りたてをびん詰めにしたもの。

◇パンテッレリア ケッパー(イタリア/PGI認証)

シチリア島の南西120kmに位置するパンテレーリア島は、年間を通じ対岸のアフリカ大陸から吹く激しい風と強烈な太陽にさらされ、イタリア本土、シチリア島とも異なる独特の風土を持っている。その過酷な自然環境はケッパーという特産品を生み出した。

◇リューベッカー・マジパン(ドイツ/PGI認証)

皮をむいたアーモンドと砂糖を使用した独特な風味をもつマジパン。北ドイツのリューベック市周辺で、100年以上変わらない伝統的な「大型の銅鍋によるスティーム・ロースト製法」で作られる。

*記事中の商品は、日本に輸入されている認証商品の一部であり、詳しい情報は「日本語版http://www.europa‐quality‐food.jp」をご覧下さい。この記事はEUの活動の一環として行われています。EU品質認証システムキャンペーン事務局:Sopexa

Foodex2006で「ヨーロッパの本物の味」にふれてください。EUが4つの品質認証ロゴを広く皆さまに知っていただくために、幕張メッセで行われるFoodex2006にブースを出展します。ブース展開で皆さまをお待ちしています。

会期:2006年3月14日(火)-17日(金)/ブース場所:ホール5-504(ホール内メーン中央通路)/詳しくはホームページで:www.europa-quality-food.jp/EU品質認証システムキャンペーン事務局:Sopexa Tel.03-3586-8363

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