電化厨房特集:電化厨房を実際に体験してみよう=デリシステム・プランニング

2006.05.01 313号 15面

中食市場でも電化厨房が急ピッチで普及している。そのけん引役が(株)デリシステム・プランニングだ。電化厨房を活用し、中食事業の経営改善指導、プランニングを行っている。競争が激化する中食市場において、勝ち抜くためには電化厨房による厨房改革が必要不可欠だとする同社。独自に油鮮度計付きフライヤーを開発するなど、その取り組みは意欲的だ。

同社の「教育センター」(東京都台東区)のトレーニングルームには、すし厨房、惣菜厨房、ツーオーダーシステム厨房の3パターンの電化厨房と模擬売場がある。

新人スタッフから店長マネジャー、商社や食品メーカーの社員まで、中食ビジネスに携わる人が実践的に学べるシステムが構築されている。最新の厨房機器が並ぶなか、一押しなのが油鮮度計付きフライヤーだ。

「当社スタッフが長年電化に携わってきた経験を生かして厨房メーカーと共同開発しました」と語る担当の高柳政幸さん。

同機は、調理中の揚げ油の鮮度をリアルタイムに計測し、デジタルパネルに表示する。本体だけでなく、売場用の表示パネルもあり、客に安全・安心をアピールできるのが売り。

「油鮮度計測器があれば、油の品質管理が徹底的にできるのです」

ユニークなのは油の鮮度を極性化合物(油脂の劣化生成物の総称)の量を示す「油鮮度(PC値)」で判断していること。従来日本やアメリカでは、油の劣化は酸化(AV)値で評価されてきた。PC値はそれ以上正確に油の状態を表すとされ、ヨーロッパで広く採用されている。

ほかにも油槽から揚げダネを取る際の油の飛散を防ぐため油槽上部に「油きり篭」を設置するなど、独自のアイデアが生かされている。

「油を使う作業は調理作業のなかで最も危険です。安全性の高い当社のフライヤーをお薦めします」と高柳さん。

◆現場からの声:教育センター・高柳政幸さん

惣菜弁当で利益を捻出するには厨房改革が必要不可欠です。今までの調理場は労働環境が悪く、良い人材が集まりにくかった。その点、電化厨房は作業動線の効率化、調理技術の標準化、ドライで衛生的な労働環境の実現に効果的。そこで良い人材をスペシャリストとして育てあげ、長く働いてもらうことが経営改革の早道なのです。

◆店舗メモ

(株)デリシステム・プランニング(教育センター=東京都台東区台東3‐41‐4、加藤ビル5~6階、電話03・5688・7030)

◆機器紹介:ニチワ電機(株) PCセンサー付きフライヤー 型式DPCF-27

「PCセンサー付きフライヤー」の特徴は(1)油槽内部の「加熱筒」をなくし油槽の体積を拡大、調理油の劣化を低減(2)ヒーターの改良で、調理油の熱による酸化を抑制(3)フライヤーガードがオイルミストや熱気の拡散を防ぎ、ダクトの吸収効率アップ(4)油槽上部に「油きり篭」と「カス受け」を設置し、飛散を防ぐ(5)フライヤー前面に「油返し」を設置。調理油をあふれさせない、など。

▽問い合わせ先=(株)デリシステム・プランニング(電話03・5688・7030)

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