この食品メーカーに注目:オカフーズ 業務用「骨取り“切身百選”」

2006.10.02 320号 19面

ジャスト・イン・タイム(JIT)の供給体制で給食を中心とした業務用に水産加工品を提供する(株)オカフーズ(東京都中央区、電話03・3543・9515)が8月から「骨取り“切身百選”」シリーズの出荷を開始している。

これまでの10切れパックを、必要量を無駄なく使える5切れパックにして中身の見えるパッケージに改良、16アイテム(マダラ、キンメダイ、アジ、サケ、サワラ、スケソウダラ、マサバ、サバ、シルバー、メルルーサ、メバル、ホキ、サワラ西京漬け、カラスガレイ、マカジキ、赤魚)を揃えてシリーズ化した。

水産資源原料確保が厳しくなっている中で、安定した品質の商品を中国2拠点、ベトナム、日本の工場で原料にこだわって作り上げ、年間を通じて安定供給する。サイズは魚種によって異なるが、1魚種平均3サイズを用意した。

骨取り魚は事業所給食、ヘルスケア給食からの引き合いが多いが、少パックにしたことでキャッシュ&キャリーなど新分野へも販路を広げたい考えだ。

リニューアル発売のもう一つの特徴は、外箱サイズの統一化。同社独自のトヨタ生産方式による一連の生産行程見直しの中で、箱の大きさが異なると積み上げが非効率ということが浮上したため、統一規格にした。包装パックを中身が見える仕様にしたのも、同様にピッキング作業時に中身の判別をしやすくするためで、グラム数も大きく表示してバーコードを付けた。

同社の年商76億円のうち、骨取り魚は3年前から商品化して約1割弱を占めるようになってきた。岡孝行取締役営業本部商品部長は「特にこの1~2年は引き合いが増えており、業界全体の骨なし商品の品質も向上してきている」と言う。その背景には、少子高齢化社会への対応や調理の簡便さがあるという。

商社機能やメーカー機能を持つ同社は、漁港で魚を買い付けて協力工場に原料を持ち込み、HACCP手法に基づいた徹底した同社の品質管理体制のもとで生産、受注の翌日配送という原料から生産・販売の一貫した仕組みづくりの中で品質管理を行っている。

「工場の衛生管理は当たり前、温度管理、工程管理で品質を落とさない生産管理体制をつくり上げている。今後ますます、いつ発注しても同じものを同じタイミングで入手したいという、安定した品質と供給へのニーズが高まってくる。これは意識してシステム化している」と、岡商品部長は目に見えないハード・ソフトの充実が同社独自の、他社との差別化戦略と語る。トヨタ生産方式に取り組んで1年、需要の予測管理システムに取り組んで半年。「あらゆる無駄を省いて品質を上げることによってクレームが減り、結果としてコストが下がる」とし、全社を挙げて取り組んでいる。

「骨取り“切身百選”」は「八仙人」「築地グリル亭」「煮付名人」に続く4つ目のブランドである。骨取りの売上げは現行月間150万切れで、シリーズ化による販路拡大で3割強の増加を目指す。同時に独自のハード・ソフトを武器に、給食に強いオカフーズをさらに浸透させ、販路拡大を狙う。

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