宅配サービスの注目株(8)CQエンターテイメント 移動式中華厨房車「CQパワーキッチン」

2008.03.03 339号 03面

 「お客さまに出来たての味を届けたい」という願いをかなえるべく、宅配業界では、各社が日々さまざまな工夫を凝らし続けている。中でも、中華料理のデリバリー&テークアウト専門店「チャイナクイック」などを展開している(株)CQエンターテイメントでは、3年前に究極のデリバリーともいえる「移動式中華厨房車」を開発し、イベント会場をはじめ全国各地で「出来たての味」を提供し、高い評判を呼んでいる。

 「デリバリーでは料理ができてからお客さまの手元まで約40分。この経時劣化をいかに少なくするかを考えたときに、移動式厨房『CQパワーキッチン』の構想が生まれました」と、(株)CQエンターテイメント、CQパワーキッチン事業部課長、秋元孝治氏。

 CQパワーキッチンは、2tトラックに店舗と同等の本格厨房設備を備える。そのため、「通常、移動販売ではCKで調理済みの食材を加温するだけの料理がほとんどですが、CQパワーキッチンはツーオーダー形式で、お客さまの目の前で、鍋を振り、出来たての味を提供可能です。『お店にタイヤが付いた』と考えていただければよいでしょう」(秋元氏)。約200種類のメニューから、季節に合わせた約50種類を選択して、提供しているという。

 こうした移動式厨房での販売メリットは、(1)フルリース可能のため初期投資ゼロで急速な多店舗展開が可能、(2)固定費がかからず、短期間での投資回収を実現、(3)ニーズのある場所での営業のため、通常の飲食店と違い、集客のための販促費がかからない、(4)新規出店の際に必要な商圏に関するマーケティングでの活用、(5)走る広告塔としての効果、などがあげられる。また、券売機を使った営業のため、人件費も抑えられるという。

 出店事例としては、パチンコ店やスーパーマーケットの駐車場、工場や工事現場、イベント会場が多い。例えば、鈴鹿サーキットでF1グランプリ開催中の3日間に300万円の売上げ実績があったという。

 また同社では、業界の活性化と移動式厨房車の認知度を高めるため、他社飲食チェーンにも技術やノウハウを提供するコンサルティング事業も行っている。

 現在、稼働中のパワーキッチンは全国で26台。FCでは、複数台契約している企業が多い。今後3年以内に、同社が中心となり、移動販売の協会設立を目指すという。

 ◆「(株)CQエンターテイメント」/所在地=東京都渋谷区千駄ヶ谷4-19-1、?03・5786・0456/店舗数=35店舗(チャイナクック)/企業年商=36億円/CQパワーキッチン315万円/CQパワーキッチンの主な人気メニュー=「五目あんかけ焼きそば」(700円)、「芝海老のチリソース煮」(700円)、「五目チャーハン」(600円)

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