帰ってきた飲食店のための血液型講座(6)A型上司のB型部下育成法 自由に好きなようにさせる
A型人間から見たらB型は異星人(?)。B型部下の行動が、A型上司には100%理解できない。B型部下の計画性のなさ、調子がよいだけでチャランポラン。やることなすことが危うく映る。こうしたB型人間を部下に持つと、A型上司は無力感を覚えてしまう。
であるなら、いっそ“指導しない”“そのまま自由にやらせればよい!”と割り切ればいかがだろう。今回はそんな話である。
◆A型上司の部下育成法 B型編 理解不能な異星人は指導するより自由に好きなようにさせるのが1番!
A型支配人「え~B型クン。わが社の顧問、エービー海老尾博士のアドバイスにより、君を今日から「自由放任・野放し社員」にするので一切好きにやりなさい。ただし、ホテルのレストランで野放しにすると大混乱するので、4階の大不振BARを君に預けるから、大いに好きにやりなさい。女(風俗)とドラッグ(麻薬)とチャカ(銃器)は禁止だが、あとは何をやってもよい……と社長がおっしゃっている」
B型の部下「エッ! 本当ですか! ウヮオー、最高スね!」
B型クンは、そのまま4階のBARに閉じこもった。10日過ぎたころ、4階の廊下に40~50人のお客さまがあふれた。BARの開店を待っているのだ。こんな光景は見たことがなかった。BARの前に大きな看板が。“日本初、宇宙BAR「TERRA(テラ)」開店”。“B型クン……何やらかしてるのヨ?”と不安がよぎった。何かあれば上司の私の責任だ。
開店と同時に店に入った。あのアイリッシュ・パブが、宇宙BARに生まれ変わっている。ホールでは、奈菜ちゃんと香織ちゃんが、宇宙スタイルで注文をとっている。
突然、店の中の明かりが点滅し出した。あの奇妙な音楽が鳴り響く。ピンクレディーの♪「UF0」♪だ。奈菜ちゃんと香織ちゃんが、トレンチ片手に踊り出した。メニューは、NASA(アメリカ宇宙局)が開発した宇宙食と宇宙ドリンク。
恐怖のアースベイダーが、武器を持ち私の方にやって来る。“うわ~、助けてくれー!”
B型の部下「A型支配人、私ですヨ」
A型支配人「何だ君か! 驚かすなよ。ところで、この宇宙BARどうなっているの……?」
B型の部下「よくやった! と、今社長から誉められました。でもこれも、入社以来指導していただいたA型支配人のお陰です。ありがとうございます!」
A型支配人は、B型部下の褒め言葉にホロリ……としたが、ここで気を許してはならないと、少々嫌みを言う。
A型支配人「でもネー、やりすぎじゃないの?」
B型の部下「あっスイマセン。マスコミの取材が多くて……じゃ失礼します」
アースベイダーは、ガチャガチャさせながら去って行く。後姿を見送りながら、1人つぶやく支配人。
A型支配人「俺も年だよね。こんなの理解できないヨ……」
いいえ、年のせいではありません。血液型のせいです。その証拠に、あなたのB型の奥さまが、ゲストの「ジェダイ」(宇宙騎士)のイケメン男に、キャーキャー言って騒いでいるじゃないですか。
あ~ぁ、B型は本物の異星人ダ……。
(血液型研究所主幹 エービー海老尾)