低コストにこだわる必勝居酒屋メニュー(その41)コーン
◆用途広く、油と好相性 ポロポロ落ちない工夫を
コーンは、1年草のイネ科の植物。穀物の部類に入るが、わが国では野菜として認識している消費者が多い。ホールコーンは形状を指す言葉で、原料はスイートコーン。バイカラーコーンと呼ばれる黄色と白色が3対1程度の割合で混ざったものが最も一般的で、甘みが強く、果肉も軟らかめで人気が高い。
スイートコーンを加工したものがホールコーンで、缶詰や冷凍品として流通している。7~9月が収穫の最盛期で、生のものが容易に入手できるが、ひとつ注意が必要だ。コーンの糖分は収穫から数時間後には半減してしまうので、なるべく早くゆでるか、冷蔵するかした方がよい。コーンは収穫後も生きており、呼吸をするので、そのため糖分を消費するからだ。一般的に、加工品では収穫後2時間以内にブランチングするのがセオリーとされる。
メニューへの用途は広く、居酒屋の定番バターコーンやサラダ具材、コロッケやグラタンなどの洋風料理が人気。ただ、ポロポロと食べづらいのが難点ともいえるので、まとめた形で食べられるスタイルのメニューを考えるとよい。油との相性もよいので、つまみ揚げや天ぷら、チヂミやお好み焼き、オムレツなどの料理のほか、練りサラダ的料理にも向く。
◇コーンとチーズの包み揚げ
失敗なしのお手軽つまみ
■参考原価=87円
■使用食材(1人前)
ホールコーン(冷凍品25g)ワンタンの皮(5枚)ミックスチーズ(25g)ホワイトソース(缶詰25g)チリソース(15g)パセリ(少々)サラダ油(揚げ用適量)
■調理方法
(1)ワンタンの皮にホワイトソースをのせる。
(2)ホールコーンをのせ、ミックスチーズをのせる。
(3)皮のふちに水を塗り、四隅を持ち上げて包む。
(4)サラダ油で(3)を揚げる。
(5)皿に盛り、チリソースを添え、パセリをあしらう。
■メニュー開発のコンセプト
カリッと揚げたワンタンの皮の中から、トロリとしたチーズとホワイトソースがからんだコーンが出てくる、熱々がおいしい手軽なつまみ。
■応用のヒント
ミックスチーズの代わりにクリームチーズを使うと別のおいしさになる。ギョウザの皮でも作れる。
◇コーンのおやき
米粉入りでモチモチ
■参考原価=106円
■使用食材(1人前)
ホールコーン(90g)ベーコン(粗みじん15g)玉ネギ(粗みじん30g)紅ショウガ(粗みじん9g)万能ネギ(刻み3g)長ネギ(粗みじん6g)薄力粉(40g)米粉(10g)水(45ml)白だし醤油(3ml)卵(10g)味ぽん酢(30ml)粉ゼラチン(1.5g)水(ゼラチン用20ml)
■調理方法
(1)粉ゼラチンに水を加えふやかし、湯せんにかけて溶かす。
(2)味ぽん酢に(1)を加えて混ぜ、冷蔵庫で冷やし固める。
(3)水に薄力粉、米粉、卵、白だし醤油を加えて混ぜる。
(4)玉ネギ、ベーコン、長ネギ、紅ショウガ、ホールコーンを加えて混ぜる。
(5)サラダ油を引いたフライパンに3分割して円型に流して焼く。
(6)皿に盛り、(2)のゼリーを崩してかける。
(7)万能ネギを散らす。
■メニュー開発のコンセプト
米粉を入れてモチモチとした食感に仕立てた生地に、たっぷりのコーンを加えてカリッと焼き上げたチヂミ風つまみ。ゼリー状ぽん酢のビジュアルが楽しい。
■応用のヒント
洋風にケチャップやソースで食べるのもおいしい。