業務用加工食品ヒット賞 中華部門:エバラ食品工業「寸胴革命」がらスープシリーズ

2011.07.04 388号 09面

 ◆中国料理店の常備品に

 エバラ食品は1968年、ラーメンブームに先駆けて「札幌ラーメンの素(みそスープ)」を発売。以降、多くのラーメンスープ(たれ)をラインアップし、ラーメン市場の拡大をけん引してきた。それに併せて「がらスープ」の市場を切り開いてきた。

 当初、がらスープは店で炊くのが常識だったが、不足したスープを補充する、いわゆる「追い足し」の需要が大きいことに着目し、68年「がらスープ(骨肉湯)」を発売。有塩濃縮タイプで保存性に優れ、「ラーメン店の常備品」としての地位を築いた。

 この人気拡大を受け80年、がらスープ専用の群馬工場が稼働。がらスープの活用範囲を広げる無塩タイプの「がらスープ スタンダード(骨肉湯)」を発売した。そして84年、現在の主力商品である「がらスープ肉塊湯」「チキンがらスープ鶏塊湯」を発売。両品は、果肉入りジュースをヒントに、肉の塊をスープに加えたもので、風味とコクが格段にアップ。中国飯店の現場から高い評価を獲得し、「エバラといえばがらスープ」という認識が外食市場に定着した。

 一方、80年代後半からラーメンが多様化し、90年代後半にはご当地ラーメンブームが到来。がらスープにこだわるラーメン店が多くなり、92年、香りの高さを強調した「がらスープ肉湯〓(ルータンシャン)」などをシリーズ化。ご当地ラーメンの一般化を演出した。また93年、最高級を掲げた「がらスープ澄上湯」を発売。高級飯店がうなる品質を実現し、洋食市場にも販路を広げた。

 常温商品と並行して、冷凍がら・がらスープ分野にも注力。90年発売の「冷凍がら十五分湯 ポーク」は、絶妙な大きさにクラッシュした生がらをパックにした、短時間で抽出できるがらスープ。冷凍食品市場の拡大により、骨の保管スペースが減り、同時に時短が求められる、といった市場背景があった。

 また、04年発売の「冷凍がらスープ 丸鶏チキン」は、口の肥えたお客が増える中、「生がら抽出と同等の鮮度がほしい」という声に応えたもので、濃縮タイプの新境地を切り開いた。

 「寸胴革命」がらスープシリーズに共通するのは、「料理人の味付けを邪魔せず、使いやすい」こと。時代のニーズをくみ取りながら、さらなる発展が期待される。

 ●規格=常温、冷凍、各種

 ◆彩り根菜の酢豚

 作り方/(1)野菜類は油通しする(根菜は下ゆでしてから)。(2)豚ばら肉は下味を付けて、片栗粉をからめて揚げる。(3)20倍に希釈した「チキンがらスープ鶏塊湯(ヂーカイタン)」「広東風甘酢ソース」を加え、味を調え、水溶き片栗粉でとろみを付け、(1)、(2)をからめる。

 ◆喜多方風醤油ラーメン

 作り方/(1)「らーめん醤油たれこいくち」「らーめん醤油たれうすくち」を1対1に混ぜておく。(2)丼に(1)と20倍に希釈した「和風がらスープ 海湯〓(ハイタンシャン)」を入れてよく混ぜる。(3)ゆでた麺を加え、具材を盛り付ける。

 ◆八宝菜

 作り方/(1)熱した鍋に油を入れ、豚もも肉、イカ、エビ、ニンジン、タケノコ、長ネギ、白菜、椎茸を炒める。(2)20倍に希釈した「チキンがらスープ鶏塊湯(ヂーカイタン)」「広東風八宝菜ソース」を加え、味を調え、片栗粉を混ぜ合わせて加える。(3)仕上げにごま油をたらす。

 ◆東京風塩ラーメン

 作り方/(1)丼に「味わいしおらーめんスープ」「顆粒ホタテ調味料」、20倍に希釈した「チキンがらスープスタンダード(骨肉湯)」を加える。(2)ゆでた麺を加え、具材を盛り付ける。

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