近代メニュー革新!繁盛レシピ研究所:スンドゥブバル食堂 ポジャンマチャ 柏「スンドゥブチゲ」
“スンドゥブ”とは、韓国の豆腐の一種で、日本の汲み出し豆腐に似た軟らかい豆腐のこと。スンドゥブをメーン具材に魚介、肉、野菜などを合わせ、辛味スープを加えて煮込み、仕上げに生卵を落とした小鍋料理が“スンドゥブチゲ”だ。
千葉県柏市の「スンドゥブバル食堂 ポジャンマチャ 柏」は、そのスンドゥブチゲをメーンに世界各国の料理を取り揃えた多国籍レストラン(バル)。白飯にも酒にも相性が良いスンドゥブチゲの魅力を生かし、ランチ、ディナーともに集客を伸ばしている。
常時12種類の具材をラインアップし、中でも「スンドゥブチゲラーメン」は「第1回韓流グルメ日本一決定戦」でグランプリを受賞するなど、バラエティに加え話題性も発揮している。
山岡純一朗店主は「調味ベースとしてスンドゥブチゲのポテンシャルは絶大。各国料理と組み合わせて“和製スンドゥブチゲ”をジャンルとして定着させたい」と意気込んでいる。
●営業の概況:客層の8割が女性 6~8割が注文
開業は2011年12月。立地はJR柏駅東口から徒歩2分。敷地は29坪・54席。客単価は昼1000円、夜3000円。客層は8割が女性。集客数はランチ40~50人、ディナー80~100人。ランチ客の8割、ディナー客の6割がスンドゥブチゲを注文している。
スンドゥブチゲのメニューは、定番の「牛すじ」「豚」「ホルモン」「海鮮」「タイ春雨」「トムヤムクン」「濃厚チーズ」「ラーメン」などに季節メニューを合わせ、常時12種類。人気上位は「牛すじ」「濃厚チーズ」「ラーメン」の3品。
●特徴と料理:すりごまと牛脂でうま味とコクを演出
牛骨スープ、独自配合のタテギ(韓国辛味噌)を合わせて小鍋に注ぎ、スンドゥブ、アサリ、キャベツ、玉ネギ、キノコ、メーン具材を加えて4~5分煮込み、生卵、長ネギ、水菜を添えて完成。ズンドゥブは国産大豆100%豆乳を使い毎朝手作りしている。
味の決め手は試行錯誤を重ねたタテギだ。すりごまと牛脂を加えることでうま味とコクを演出。ラーメンには、さらに生クリーム(濃度40%)とバターを少量加え、濃厚な味わいに仕上げている。
山岡店主は「本物のシャープな辛味に比べ、日本人嗜好のマイルドな辛味」と明かし「具材1つ1つの持ち味が引き立つ“やや辛”が自慢です。もちろん辛味の強弱も注文可能です」と説く。
●発祥と展開:独立して再出発 大型商業施設からの誘致に期待
化粧品メーカーの多角事業の1つとして2006年10月に「豊洲ららぽーと」内に開業。社員だった山岡店主が事業統括者として指揮した。3店舗を出店した後、事業清算にともない山岡店主がストアブランドを譲り受け、独立出店(柏店)し再出発した。
開店早々の12年1月、東京・代々木公園で行われた「第1回韓流グルメ日本一決定戦」(参加104店)で、出品した「スンドゥブチゲラーメン」がグランプリを獲得。一躍、看板料理に台頭した。
2013年3月、2号店・上野御徒町店を開業。多店舗化に向けて地固めに努めている。
山岡店主は「日本ではスンドゥブチゲは依然マイナー。魅力を広く知ってもらうため、麺類や丼物など身近な料理とマッチさせて、まずはトライアルを訴求したい」と語り「大型商業施設からの誘致を歓迎し、いち早くフラッグシップ店を出店したい」と意気揚々だ。
◆店舗情報
「スンドゥブバル食堂 ポジャンマチャ 柏」 所在地=千葉県柏市柏2-11-6
営業時間=午前11時半~午後3時、5時~11時、不定休
◆エバラで再現!模擬レシピ:「スンドゥブチゲの素」でやってみよう!
○使用食材:「スンドゥブチゲの素」魚介の旨味たっぷり!
アサリ、カニ、ホタテ、オキアミ、エビ、サケの旨味に唐辛子の辛みを効かせた、濃縮タイプのスンドゥブチゲの素。好みの味に調整しやすく、小容量で使い切りに便利。
規格=500ml