インドネシア市場過熱 相次ぐ日系企業進出 ハラール認証取得も活発化
内需主導型の経済発展と、中間所得層の増加に伴う経済成長で注目されるインドネシア市場への期待が高まっている。人口2億4000万人の巨大マーケットには日系企業が相次いで進出し、ハラール認証取得の動きも活発化している。和食のユネスコ無形文化遺産登録や2020年の東京オリンピック開催が追い風となり、今後もビジネスチャンスは拡大しそうだ。ファーストと日本食糧新聞社がこのほど開催した「インドネシア市場 食品輸出・進出セミナー」には業界関係者約250人が参加しその注目度の高さをうかがわせた=写真。
メーカーや小売業、外食チェーンなど食品関連企業のインドネシアへの進出が加速している。ビジネス成功のキーワードは“現地化”。日本でのビジネスモデルに固執せず、価格帯や味、販売手法は柔軟にローカライズすることが求められる。
インドネシアは国民の約90%がイスラム教徒で、イスラム諸国の中で最大のムスリム人口を擁する。ムスリムの世界人口は18億人といわれ、ASEANだけで2億8000万人のマーケットだ。
イスラム圏への食品輸出に有効なハラール認証への注目度も高まっている。ハラル・ジャパン協会によると、ハラール食品市場は全世界で58兆円(1ドル=100円換算)あるとされ、コメや肉類、水産加工品、調味料など日本でも多くの食材が認証を取得しているという。インバウンド(在日・訪日)とアウトバウンド(輸出・進出)の両面でハラール認証取得のメリットは大きい。
ただ、同じイスラム圏でも国や地域、所得層によって買い物をする場所や商品は大きく異なる。イオンインドネシアの菓子豊文社長はこうした多様性を踏まえ、「どの商品をどこで誰に売るのかを計画に落とし込み、明確なビジョンを持って輸出・進出しなければハラールビジネスは成功しない」と強調する。