飲食店の血液型対応学(10) AB型

1999.11.01 191号 21面

♪♯♭「二重人格ABさん…」。バラクーダが歌う、「血液ガッタガタ」という歌のAB型の節である。よくAB型は、このように「二重人格」と誤解される。これは本当なのか。

絶対違う、と断言したい。正確には、「二重人格のように見える」というのが正しい。なぜならAB型というのは、A型とB型の両方の行動特徴を持った人なのだからである。

A型は、やたらに細かいことに気を使い、女々しくて悲観的だが表情に出さずに頑張るタイプ。B型は、おっちょこちょいでお祭り好き、一つのことに凝り出すと脇目も振らずに邁進し、人に迷惑をかけても平気の平左というタイプ。つまり、A型とB型というのは水と油のような関係なのである。タレントで言うと、野村サチヨ(B)と浅香光代(A)なのである。もしこの二人が一つの体の中で暴れだしたら、とんでもないことになるとお考えであろうがご心配ご無用。

AB型というのは、ある時はA型で、ある時にはB型なのである。だからさっき、A型で行動・発言していたと思ったら、今度はB型で行動・発言するというような、相反する行動を平気で行うため、「あの人は、二重人格だ」と誤解されやすい。

ある心理学者に言わせるとAB型は、「A型とB型の間を揺れ惑う小さな船のような存在である」と言う。このあっちに行ったりこっちに来たりする姿を見て、人々は「AB型は二重人格」と評するのである。二重人格とは、月夜にオオカミに豹変する「オオカミ男」とか、ジキルとハイド氏のような二重人格の殺人鬼をいうのであって、AB型はそういった類の人種では無い。むしろAB型は、二重人格とは似ても似つかない、理知的で合理的でスマートな存在なのだ。

A・B・O・ABの血液型四類型の中で、一番頭が良くコンピューターのように素早い判断ができるのもAB型なのだ。しかしその判断し割り切るところが、いかにもクールでA型の筆者などは、「あ~あ、血も涙も無い奴だ」と憤慨してしまうのだが…。

AB型店長は、非常に合理的で割り切ったタイプ。だから、グズグズ、べたべた、のろのろ、トロトロを非常に嫌う。例えばこんな応対をすれば、F君の業務評価は最低点となる。

駄目な例‐AB型店長とぐずなF君との対話

AB型店長 今週が締め切りだから、仕事の途中でもよいから倉庫の棚卸しをしてくれないか。

ぐずなF君 エ~でも今日は、アルバイトの好子ちゃんと美枝子さんがお休みで暇がありません。

AB型店長 2時頃から4時頃までは、お店も混んでないし暇があるだろう。

ぐずなF君 でもその時間は僕の食事で、今日はゆっくり食後に昨夜買った本を読みたいんです。

AB型店長 そんなことはプライベートの時間にやってくれよ。今日は棚卸しが優先じゃないか。

ぐずなF君 今日突然言われても。昨日だったらできたのですが。(グズグズ)

AB型店長 エ~イもういいヨ。他の者にやってもらうから。(カッカ、カッカ)となる。

もう一つ駄目な例。

駄目な例‐気分屋のY子さんと店長の会話

AB店長 Y子さん、どうしてナイフとフォークを一緒にするの、取りにくいじゃないか。

気分屋Y子 エ~、でもこうした方が私はとりやすいので、こうしているんですけれど。

AB店長 フロアサービスは、Y子さんだけじゃないんだから他の人が取りにくいだろう。

気分屋Y子 店長がそうおっしゃるなら、そうします。でも何となくこうしたかったんです。

AB店長 何となくなんて、そんな気分次第で仕事をしないで下さいよ。

気分屋Y子 なぜ気分次第が悪いんですか? 店長は割り切り過ぎですヨ。

AB店長 仕事はケジメです。そんな議論はどうでもよいから、早く食器を片づけて下さい。

気分屋Y子 気分が乗らないから、あとでやります。

AB店長 あ~ぁ。

有能で仕事をてきぱき片づけるAB型店長には、F君やY子さんは頭痛のたね。ところがG君・S君という、AB型店長の行動パターンを読み切った優れ者がいるのである。

良い例‐AB型店長と切れ者G君との対話

AB店長 G君、締め切りが近いんで倉庫の棚卸しをやってくれないか。

切れ者G君 もう済んでます。先月、後回しにして苦労しましたから、早めに終わらせました。

AB店長 そうか、よくやった。ところで棚卸しの計算はいつ出るかな。

切れ者G君 明日午後3時には概算が出ます。検算で確認しますので、最終数値は明後日です。

AB店長 そうか。ご苦労さん。(満足、満足)

切れ者G君 提案ですが、棚卸ししながら商品棚の配列を再検討してはと思いますが。

AB店長 よし、君の案を出してくれ。早急に検討しようじゃないか。

切れ者G君 ありがとうございます。

まぁ何と清々しいスムーズな会話であろう。AB店長は内心、「G君は放したくないな」と思っていることでしょう。ところがこうしたできる奴ほど転勤させられてしまい、その後釜にまたわけの分からん奴が来るんだよね。

もう一つ。さわやかな会話をお楽しみ下さい。

良い例‐AB型店長とテキパキS君との対話

AB店長 最近フォークとナイフの数が余りはじめてきたね。S君どう思う。

テキパキS君 割り箸の発注量が、昨年対比で二倍になっています。

AB店長 良く調べているね。客層が、ご老人や中年の主婦が多くなってきているせいかな。

テキパキS君 それもありますが、レジのデータでは客層に大きな変動は見られません。

AB店長 ではどうしてなんだ。

テキパキS君 ハイ、メニュー構成で和食の割合が一八%上がっています。原因はこれですね。

AB店長 良く調べてくれた。今後も頼むぞ。(満足、満足)

テキパキS君 ハイ、頑張ります。

このようにAB型店長は、合理的で理路整然とした仕事のやり方を大いに好むのである。だから、徹底的にそれに合わせる仕事の仕方が大事である。

しかし、AB型店長はプライベートは別、と割り切っているので、お宅にお邪魔したり休みにゴルフに行くなど、最も嫌うタイプであるので気を付けられたい。

(血液型対応学研究所・エービー海老尾)

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