特集・宅配ピザ 大手14社社長にアンケート 「ピザ・カリフォルニア」
【Q1】
宅配ピザは一二〇〇億円市場と推定されるが、この市場規模は一世帯当たりの利用回数が月間平均一回弱で成り立っていることになる。今後より家庭食としての大衆化を図ることにより週一回のご注文がいただけるようになればそのマーケットは四倍に拡大し四八〇〇億円規模まで成長すると考えられる。また宅配ピザはそのようなポテンシャルを持つ事業と確信している。
したがって、当社では市場が成熟し停滞する五〇〇〇億円マーケットまでは成長期と考えており、そのころには店舗数は全国で六〇〇〇店を突破するとの見方をしている。
【Q2】
(1)現在の三三〇店を平成9年度までに五〇〇店体制とすることを当面の目標としているが、さらには従来の大中都市圏での出店と並行して少商圏対応型店舗およびFF店の開発に力を入れていく。当社の店舗展開はFC主体となるが、今後は複数出店に意欲的な企業からの加盟比率を上げていく方針。
(2)現在、三三〇店のチェーンボリュームを生かして、全国規模で大阪の人気お笑いタレント、トミーズを起用したテレビCMを放送しているが、各店レベルでは速効性の高いメニュー・チラシの頒布を中心とした販促をしている。今後も地域に密着した販促活動は店舗で、チェーン全体の知名度とイメージアップを図るための全国の販促は本部主体で展開していく。
(3)当チェーンではジャーマンスペシャル、シーフード6などのベストセラー商品、またチキンテリ、カリフォルニアスペシャルなどのヒット商品など、独自なオリジナルピザを商品化してきたが、さらにお客様に長くご愛顧いただける息の長いロングセラー商品の開発に努めていく。同時に素材がすべての商品だけに、よりおいしく、安全性の高い原材料の調達に最大の努力をしていきたい。
【Q3】
宅配ピザ各社を比較すると、商品、価格、サービス、販売方法、宣伝販売などのほとんどにおいて類似しながら、シェア争いをしているのが現状であるが、今後は競合店との差別化、個性化を目的として、独自性の高い商品、サービスの販売提供を各チェーンが志向すると思われる。
利用者もより自分のニーズにマッチした味、サービス、ボリューム、価格で店を選ぶ時期に入ってくる。宅配ピザ市場は成長期においても、店舗過密地域を中心として淘汰が進み、より高いクオリティーを維持出来る店だけが繁盛店としてシェアを拡大することが出来るだろう。
販売価格についても米国並みのポピュラープライスを望む利用者の声を反映し、低価格化傾向に進むことが予測出来る。そのために原材料コストと運営コストの見直しと工夫は、各社にとって大きな課題となってくる。
また宅配のネットワーク機能の活用は、ピザのみの販売にとどまらず、関連商品以外にも商品の幅を広げていきながら、ユーザーの会員組織化が進み、新たなビジネスチャンスを作り出す。当社としては、そのような背景を仮定し、業界一の店舗数を戦略の柱として店舗数および売上げシェア二〇%以上を維持しながら、他社に真似の出来ないスケールメリットの追求をしていきたい。
宅配ピザは業種としては既に一般的なレベルにあると思うが、店や商品における特徴についての情報は不足感があると思う。前記の通り各社の個性化が進めばユーザーは商品や店の特徴を通じて宅配ピザを認知してくれると思う。