フードパーク「オアシス」日商60万円超えるセルフサービス方式

1994.05.23 52号 7面

スーパー長崎屋グループの経営で、和洋を中心としたファストフードメニューの「フードコート」だ。

店舗面積一〇〇坪、客席数一三〇席。アウトレットモール北側の一階にあり、壁面が総ガラス張りの開放感のある明るい店だ。

店内北側に焼そば、ハンバーガー、ラーメン、丼物、パスタ、クレープなど六つの業態(料理コーナー)をレイアウトしており、客席はそれに向き合う形で左右に展開している。客は好みのメニューを提供しているカウンターに行ってオーダーし、レジを済ませて番号札をもらう。そして、呼び出されるまでテーブルで待ち、食べ終えたら食器とトレイを回収コーナーに戻すというセルフサービスのシステムだ。

料理はオーダーして一〇分以内に出すのが基本だが、現在のところはメニューによっては一五~二〇分を要しているものもあり、この点は改善すべきことのようだ。

「ツーオーダーで作っている料理が多いですから、客数の多いピーク時にはどうしても時間がかかって、お客さんを待たせることになってしまい、クレームをつけられることもあるんです。それと、この業態はオーダーカウンターも違いますから、グループでこられても同時にメニューが出ない場合もありますから、ツーオーダーでしかも異なる業態の集合体は、オペレーションの面でいろいろと難しい面があるのです」(菊地進店長)。

FF機能の飲食形態は、クイックサービスによる客回転にあるわけだが、クッキングに時間がかかると、それだけ集客力が落ちることになる。

現に土・日などモールへの来街者がピークになる日は、昼どきや夕方には店に入り切れずに、半数近くの客を逃がす状態になっているという。

客席のキャパが大きければ客を逃がすことはないが、しかし、平日とのかね合わせや投資効率の問題もある。

平日と土・日の客数は一対二の割合で、平日はやはり客数がダウンする。しかし、開店以来の営業は順調で、この3月のデータでは総客数三万四五〇〇人、一日平均約一一〇〇人の来店者数で、月商二〇〇〇万円に迫る実績を出している。

「出店当初の目標より一・五割アップの売上げをキープしていますから、現在のところは十分に採算がとれていますが、しかし、オープン当初からみますと、施設全体への来客数が減ってきていますから、やはり最低一年たってみないと結果は出てこないのではないかと思います」(菊地店長)。

モールには飲食店舗が少ないので、その条件において客を大きく吸引できているのだが、周辺に競合店が出てきた場合、これがどう変化するか、この点も不確定要素だ。

平均客単価五六〇円、ファストフードメニューなので、単品価格が三〇〇~五〇〇円前後と低価格であるわけだが、この点は消費者に大きく支持されているところだ。

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