昼食はヒレで 大衆化するステーキ スエヒロも新業態に転換
こうした大衆化の波は老舗にも波及している。(株)スエヒロ・レストランシステム(東京都中央区、03・3572・1411)の展開する「スエヒロ・5」は低価格戦略を軸とした「スエヒロ・レガロ」への業態転換を開始。1月から川崎市宮前平店を皮切りに一二店舗を4月までに転換する。
転換前の宮前平店は「バーミヤン」「藍屋」にはさまれ苦戦を強いられたが、現在、客数七〇%増と順調に滑り出している。人気メニューは和風ステーキ(六八〇円、一六〇g)客単価は二五%減の一〇〇〇円。特にサービスを変えた形跡はないが、メニューアイテムを一四〇種から八〇種に絞り込み、ステーキ路線を色濃くした。
「基本の焼き物メニューに絞ったので客数は増えてもオペレーションは楽になった」(小沢道夫業務開発部長)。全てUSビーフを使用する同社では「関税引下げ、円高のメリットを徐々に享受しているが、消費者の年々高まる低価格志向のスピードには勝てない」として当面は回転数で採算を図る構えだ。「家族客に回復の兆しが見えるが、市販の牛肉も安くなっているので、いずれスーパーと競合する日がくる。価格だけでなく老舗の味に一層のこだわりを持たなくては」(小沢氏)と胸の内を明かす。