地域ルポ 御茶ノ水 「サン・ロイヤルグループ」二毛作店が同一階に3店

1993.05.17 28号 5面

御茶ノ水橋口からいった茗渓通りの二〇mほど先の右手に地下一階、地上六階建のサンロイヤルビルがある。かつては一、二階が音楽喫茶で若者の溜り場だったところで、今でもクラシカルで懐しく、温かい雰囲気をアピールしている。

喫茶業態は収益性が悪くなったということで、四年前から業態転換を始めて、いまでは地下一階にJIGGER御茶ノ水倶楽部、一階PRONTOサンロイヤル店、二階西洋酒場白札屋御茶ノ水店、三階カラオケボックスサンロイヤル、四階ピザパーラシェーキーズ御茶ノ水店、五階しゃぶしゃぶ、地酒しゃぶ花(六階管理会社)を構成、地域の大きな集客装置の一つとなっている。

もっとも、シェーキーズはFC店として二〇年くらい前から出店していたもので、ピザパーラーシェーキーズのなかでも古株のチェーン店。

地下一階から地上五階まで、ワンフロア一店舗ずつ計五店舗の店を出店しているわけだが、プロントが“二毛作経営”で、夜になると、ショットバーに変身するので、夜はアルコール業態が三店舗ということになる。

同一ビル内で似たようなアルコール業態なので、バッティングして取り合いになるのでは‐‐という感じを受けるのだが、店のコンセプトによってメニュー内容も料金体系も異なっているので、むしろ相乗効果が上がって集客力を強めているのだという。

「客を食い合っているということはありません。それぞれのコンセプトが違いますし、営業方針をきちっと立てていますから、かえって飲食ビルとしての賑わいを大きくしていると思います。客のニーズは何か、何を売るのかという営業戦略をしっかりと把握していれば、それに見合った客層はつかめて、営業成果はちゃんと上げられると確信しているわけですが、市場(消費)は常に流動的ですから、現状をよくみてニーズの変化をとらえていかないと、ビジネスの世界から取り残されていくことになり、企業として存在できなくなります」(福田商事㈱‐御茶ノ水サン・ロイヤルグループ代表取締役福田世英氏)。

同グループは他にパチンコ経営も行っており、グループ合わせて年商一〇億円の企業規模としているが、プロント、白札屋、ジガバーともに売上げは伸び続けているので、さらに業容を拡大していくことも検討している。

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