この逸品 ジャコウ牛のメニュー3選 「赤ワイン煮込みモワル添え」
冬にはマイナス五〇度にも達するカナダ北極圏に野生で棲息、究極のグルメ用ミートといわれる天然北極牛が登場、人気を集めている。このミートは、北米ではマスコックと呼ばれグルメ通の間では大変珍重されている。日本名ではジャコウ牛と呼ばれている。
肉は非常にジューシーで、その柔らかさは牛・豚より柔らく、しかもヘルシーな低脂肪(飽和脂肪分は普通牛の三分の一)で、その上、栄養価も非常に高い。また、肉の味は牧場肥育牛では味わえないコクがあり、日本料理、西洋料理、中国料理など、どのような料理にも適し、希少価値の高い新しいグルメ料理素材として最適である。
素材をあますことなく使い切った逸品、これが料理の醍醐味であり、お客の心をとらえる大切な要素である。
珍しくて美味なジャコウ牛は、洋食はもちろん、中国、そして高級日本料理にも使用できる。また、アイデア次第では、エスニック料理、無国籍料理まで幅広く使えるのがジャコウ牛の特徴である。
ここでは、アメリカのホテル、カナダ・バンクーバーのホテルで料理を学び、本場でジャコウ牛調理を経験し、現在、「文明堂銀座店」の総料理長として、また国際的に活躍している川崎素裕さんにジャコウ牛を使った個性的な三メニューを創作、調理していただいた。新しい素材で新メニューのヒントに、きっと食通に喜ばれるはずだ。
■材料(四人分)
ジャコウ牛(800㌘)人参(100㌘)玉ネギ(200㌘)セロリ(50㌘)トマトペースト(50㌘)粒こしょう、パセリの軸(各少々)ローリエ(1枚)ピーナツ油(大さじ4)ポルト酒(100㏄)赤ワイン(200㏄)フォンドヴォー(200㏄)ブイヨン(400㏄)モワル(80㌘)イタリアンパセリ、小麦粉、生クリーム(各少々)姫人参(3本)姫大根(3本)サヤインゲン(10㌘)ブロッコリー(20㌘)
■作り方 ①ジャコウ牛に小麦粉をつけてピーナツ油で色づけて玉ネギ、人参、セロリも炒めて、ブイヨン、トマトペースト、粒こしょう、ローリエ、パセリの軸を加えて一時間半ぐらい煮る。
②①の肉を取り出して残った汁はこしておく。
③鍋に赤ワイン、ポルト酒を加えて煮つめ②を加えてフォンドヴォー、バターモンテし味をととのえる。
■付け合わせ ①姫人参、姫大根、サヤインゲン、ブロッコリーは塩ゆでして氷水に漬けてバターでからめて塩、こしょうしておく。②モワルはさらして塩ゆでしてバターでからめておく。
■仕上げ 皿に一人前100㌘ぐらいおき野菜類ソースを流しイタリアンパセリ、モワル、生クリームをちらす。
〈原材料費‐約三八〇〇円、参考売価‐約一万一〇〇〇円〉