半径2~3キロの小さな商圏・宅配ピザ 「ピザ・カリフォルニア」日本最大チェーン

1992.09.21 12号 13面

国内資本によるFC展開のピザデリバリーで、今年8月末現在、北海道から沖縄まで二七〇カ所にデリバリースポットをチェーン化、日本最大のピザデリバリーとしての地位にある。また、国内市場に加えて、韓国、台湾など海外での出店(FC展開)も積極化しており、同じく今年8月末現在計七店を開設している。

ドミノ・ピザ同様に店舗の出店は半径二㎞圏で、電話受注からデリバリーまで三〇分以内、ドミノと異なるところは、CK(セントラルキッチン)を置かずに、各店舗でピザ生地を作っていることである。

CKからの生地供給は、店舗作業を軽減するというメリットはあるが、しかし、生地は基本素材であるので、とくにFC展開を採っている場合は、CKからの生地供給に制約を受けることになるので、出店を広角度で弾力性をもたせていくために、店舗サイドで作る自給形態を導入しているのである。

もちろん、こういった事情ばかりではない。消費者にフレッシュさ、手づくりのおいしさを提供していくという狙いも込められている。この考えに沿って、生地には独自のブレンドによるミックス粉を使用し、これをミネラルウオーターで練り上げるなど、質的にも高いピザ生地を作り上げている。

そして、この上質の生地のおいしさを逃がさないために、オーブンもホット、エアー・ジェット方式のコンベア・オーブンを採用し、焼上げ時間を二分の一から四分の一に短縮することに成功している。

また、トッピングのベース(下地)を作るチーズも、栄養価の高いヨーロッパの高級チーズを使用するなど、他社との差別化に神経を使っている。

「ピザのデリバリーチェーンはすでに三〇社にのぼっていますから、地域においては大変な激戦状態になっているところもあります。私どもは責任のあるFC展開をしておりますし、また社の経営方針として“健康で楽しい食文化の発展に貢献する”という立場にありますから、競争に勝つためのクオリティの追求は当然であるわけです」(ピザ・カリフォルニア本部)。

ピザメニューは、サイズがS(八インチ)、M(一〇インチ)、L(一四インチ)の三タイプがあり、味付けは日本人の味覚に合わせてあっさりとした作りになっている。

トッピングはミート、シーフードから野菜まで二〇種類前後用意しており、日本人のデリケートな味に対応できている。トッピングの味付けもチーズ味からカレー、テリヤキソース、ガーリック、ホワイトソースと多様性をもたせている。

単品価格は一〇〇〇~三五〇〇円まで。人気メニューは「ミート7」「シーフード6」「チキンテリ」など。客単価は二三〇〇円。

今後のFC展開については、年間五〇‐六〇店舗のペースで拍車をかけていく方針で、この立地条件は住宅街を主体としている。

なお、店舗規模は二五坪、月商五三〇万円、粗利益七五%、純益二二%を平均値としている。

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