話題の輸入食材 キャットフィッシュ、各地で多彩な販促活動

1992.08.03 9号 19面

養殖キャットフィッシュ(ナマズ)の米国デルタ・プライド・キャットフィッシュ社(本社・ミシシッピ州インディアノラ市)は、今年から日本市場のフードサービス業界を対象に高級養殖白身魚であるキャットフィッシュの自社ブラインドである「ミシシッピ・ホワイト」の積極キャンペーンを開始した。そのプロモーションの一環として、6月23、24日には仙台(ホテルメトロポリタン仙台)、7月21、22日の神戸(ホテルオークラ神戸)、9月2、3日の新潟(ホテル新潟)で開催のアメリカン・フード・ショー(主催・米国農務省、米国大使館)に出展、キャットフィッシュのフライや刺身の試食コーナーを設けてのメニュー提案を予定。また、これとは別に7月13日には、ATO(米国農産物貿易事務所)での米国大使館シェフのダニエル・ベゾール氏によるクッキング・デモンストレーション、さらに29日には札幌グランドホテルでもミシシッピ・ホワイトの全般的な説明とレシピー紹介や試食など各地で多彩な販売促進を行っている。

ミシシッピ・ホワイトは、大豆、麦、ミネラル、ビタミンなどの餌で養殖され、低カロリー、低脂肪、低コレステロール、高タンパク質というヘルシーフード。また、水面上の餌を食べさせるという独特の給餌方法により、生臭さのない淡白な味が特徴。そのため、アメリカではシュリンプ、ロブスターに次ぐ人気シーフードの一つになっているという。また、アメリカ南部五州のマクドナルドでは、このキャットフィッシュのヘルシーさと淡白なうまさ、レシピーの多様性、さらに養殖魚としての供給、価格面での安定性といった点に注目し、昨年からテスト・メニューをしていた結果、今年4月から「キャットフィッシュ・プラター」(売価三㌦九九セント)として正式メニューに加えて人気を得ているという。

デルタ・プライド社製品はIQF(個別急速フローズン)フィレ、IQFホール・フィッシュ、IQFステーキ、IQFストリップ、キャットフィッシュ・ナゲット、パン粉付きストリップ、粉付きフィレ、粉付きホール・フィッシュ、ハッシュパピーなどがアメリカ国内では販売されている。日本市場へは、フライ、天ぷらなど調理加熱用のIQFフィレが約一〇〇t程度(一九九一年)が輸入されている。

現在、日本国内でのデルタ・プライド社製品は、フライなど利用の調理加熱用のIQFの八㎏パック詰を㈲メイプルフーズ(東京都中央区築地六‐七‐九、03・5565・7001)、ラス・スーパーフライ㈱(東京都新宿区西新宿八‐四‐五、03・3366・0911)の両社が全国のフードサービス業界向けに販売している。いまのところ調理加熱用の輸入に関しては、販売代理店制も敷かずフリーでの輸入販売が行われている。

製品価格は、個別急速フローズン八㎏パック詰サイズとして三~五オンス(八五~一四二㌘)、五~七オンス(一四二~一九八㌘)、七~八オンス(一九八~二五五㌘)の三通りぐらいのサイズがあり、取引き数量にもよるが一~一〇ケース内外であれば一㎏当たりの卸価格一五〇〇~一八〇〇円程度となっている。

米デルタ・プライド・キャットフィッシュ社と日本国内で北米シーフードを中心としたグルメ食材の輸入販売を行っている㈲メイプル・フーズは、養殖キャットフィッシュの「ミシシッピ・ホワイト」の刺し身向け製品の共同開発に成功、9月からメイプル・フーズがミシシッピ・ホワイトの生食用(刺し身用)製品の日本総代理店契約を結び国内販売することになった。

同社・戸恒徹司社長によると、ミシシッピ・ホワイト(刺し身用)は、戸恒氏が技術的なことも含めて製品化提案を行って研究開発を進め商品化に成功したもの。

日本ではキャットフィッシュというとナマズということで食べず嫌いの人が多いので、日本市場での定着を図るため「ミシシッピ・ホワイト」のブランドを前面に出して、米デルタプライド社のキャンペーンなどに合わせてアピールしていきたいとしている。

日本での販売価格は㎏当たり卸値で二〇〇〇円程度を予定している。白身魚では現在競合すると見られているイズミダイ(テラピア)が㎏当たり二五〇〇円程度であり、それよりも低めに設定したいともいう。

将来的には、イズミダイがフードサービス、量販店などを対象にして年間五〇〇〇t程度が輸入されているところから見て、「ミシシッピ・ホワイト」は、テラピアより安くて、おいしければ年間五〇〇〇t程度は可能性があると強気の見方をしている。

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