伊・エミリア-ロマーニャ地方の伝統食探訪 パルメザンチーズ

1997.04.07 124号 12面

パルミジャーノ-レッジャーノは、パルマ市やレッジョ・エミリア市を中心とした法定区域で生産されており、その製法と品質は、法令および生産者からなる生産保護協同組合で厳格に管理されている、まさに信用のブランド。七〇〇年以上もの伝統を守り、塩以外の添加物を一切使用しない自然食品として、世界各国で親しまれている。

工場周辺はポー川流域に広がる豊かな牧草地帯で、契約農家から良質な牛乳が毎朝夕送られて来る。牧草の栽培や牛の飼育に至るまで組合で指示、原料の品質は万全だ。

チーズは夕方送られてきた牛乳の脂肪分を半分取り除いてから、朝の搾りたての牛乳と混ぜ合わせ、大きなチーズ容器で加温して製造される。その後圧搾、加塩したのちに一年から二年ほど自然熟成させ、組合の基準をクリアしたものが出荷されることになる。随所に近代化された衛生的な設備を導入しながらも、そのプロセスは熟練した職人の経験と感覚で決められており、そこには七〇〇年以上も人から人へと引き継がれてきた技術の偉大さを感じることができる。

また、こうした生産者とは別に、パルメザンチーズを買い上げて販売するディストリビューターが生産者の保護と商品の流通を促進させることに一役かっている。

こちらでは、保管・熟成させる倉庫のほか、より流通しやすい大きさにカッティング、さらに真空パック加工を施すことにより、輸出用にも対応している。

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら