東京で飲める地ビールの店 ビヤステーション両国、相撲、屋台、下町おこし
両国駅から徒歩〇分。旧国鉄駅舎をまるごとビアホールに改築した「ビヤステーション両国」は、土地に根付いた地ビール「両国地ビール」を提供する場として今年8月にオープンした。地ビール製造は9月にスタートを切ったばかりだが、地ビールブームを受け、九〇〇席のビアホール「麦酒館」と和食処「隅田」両店舗は、オープン以来、満員御礼品切れ続出の繁盛ぶりを見せている。
メーンである「麦酒館」ホールは、力士の壁掛けや垂れ幕が飾られ、屋台が軒を並べている。店員はハッピ姿にまといを振りかざし威勢よく席まで案内してくれるなど、両国らしさが随所に感じられる。ホール正面の醸造釜も目を引く。
「ビヤステーション両国」は、今や地元周辺で知らない人はない。地ビールだけでなく豊富なドリンク類やフードも人気で、ランチはOLや主婦、夕方にはサラリーマンなどで連日行列ができ、実に月間五万人弱の来客数を誇るという。
話題の地ビールは、月約一〇キロリットルを製造しているが、需要に追いつかず、夜8時過ぎには売り切れ状態。
この成功は「両国」へのこだわりが要因。単に室内装飾にとどまらず、特定日には、相撲甚句会による相撲甚句が披露されるなど両国の独自性を生かし、なおかつ文化を残していこうとする「町おこし」の姿勢が地元の人々に受け入れられたのだといえる。