世界の人気食材 「プルーン」 人気呼ぶミラクルフルーツ
プルーンは、ミラクルフルーツとして世界的に人気を呼んでいる。西洋スモモ、欧州スモモ、コモンプラム、ガーデンプラムなどと多くの呼び名を持つ。
西アジアが原産で、二〇〇〇年前に西アジアを通りかかった旅人が、路傍の野生スモモの種を持ち帰り植えたのが始まりといわれている。ローマを中心に広まり、フランスでは気候風土があって品種改良も進められ、独自の発展をみせた。
アメリカには、一七~一八世紀にリンゴ、ペアー、チェリーなどよりも遅れて伝えられた。特にカリフォルニアが適地とあって大規模生産が展開され、主要な農産物となった。
プルーンは高さが三~八mの中型の落葉樹で、葉が厚く濃緑色である。花は淡桃から桃白色で、4月上旬ごろアンズよりやや遅れて咲く。花つきがよく大変美しい。
果実は6月下旬から7月上旬にかけて熟し、日本のアンズに比べて酸味が少なく甘い。果皮は紫色が主流で黄色や紅色もみられる。
西洋スモモは一般にプラムと呼ぶが、プラムを乾燥したものをプルーンと呼んでいる。プルーンは生で食べるほか、缶詰、ドライフルーツ、ジャム、ジュース、ケーキ、パンなどに利用。高級用ではブランデー、アルマニャックに漬け込んでアルマニャック・プルーンとして知られている。
特にシチュードプルーンとして柔らかく煮込んだものは、欧米の一流ホテルの朝食バイキングには欠かせないアイテムとなっている。
プルーンは優れた特性を持っている。第一に糖分の高いこと。主として果糖による甘さで、エキスやジュースに加工されても砂糖の添加は必要としない。このため自然の甘みとして喜ばれている。
第二はミネラルの豊富なこと。マグネシウム、塩素、硫黄、珪素、マンガン、銅ほか。特に多いのはカルシウムと鉄、カリウムである。一般的に果物はカルシウムの少ない食品であるが、プルーンは別格。しかも鉄分にも恵まれている。カルシウムは神経を休めイライラを防ぐ。不足すると頭脳の働きが鈍くなる。鉄の場合は貧血の要因となる。
日本人の食生活でカルシウムと鉄不足があげられるが、この点でプルーンは貴重な存在となる。しかも食べやすく、最近では入手も容易となってきた。
またプルーンは、カリウムの多い点でベストスリー。カリウムはとりすぎた体内の塩分を排除するばかりでなく心臓機能、筋肉機能を調節する作用を持つ。
第三に便秘によい。果物は繊維分が少ないが、プルーンは珍しく多いのである。また、熟柿にみるように熟果のプルーンには酵素の働きもみられ、便秘解消の効果が大。
欧米人は体験的にこの卓効を知り、朝食にスチュードプルーンを愛用しているのである。アメリカのカリフォルニア大学では、このメカニズムの解明に力を入れている。
プルーンの生産国は、アメリカをはじめブルガリア、ルーマニア、アルゼンチンなど。生産量は二〇万t強であるが、増産体制が続く。製品もプルーンエキス、ジュース、ゼリー、あめ、バーモントドリンクなど新製品も開発され、ヘルスフード専門店でも販売されている。
食効は極めて高く、しかも価格的には種抜きプルーンなどはスーパーでも販売され極めて安い。健康食品、自然食品として日本市場に完全に定着した食品で愛用をおすすめする。