これが21世紀の野菜だ にっぽんの植物工場(9) レタスの仲間たち

1997.02.17 121号 23面

生長早く栽培容易工場野菜の中心に

植物工場で生産される野菜の中にサラダ菜やリーフレタスなどのレタス類がある。

これらは比較的生長も早く栽培が容易で、サラダなどでの使用量も多いことから、植物工場製野菜の中心的存在となっている。

特に洗わないで食べられる清浄野菜ということで、業務用サンドイッチ・惣菜などの需要も増えてきており、今後いっそうの伸びが期待される。

レタス類は、キク科に属しており、タンポポのような花を咲かせる。

一口にレタスといっても、われわれが一般にレタスと呼んでいる玉のように結球する結球レタスから、サニーレタスなどの縮れた柔らかい葉のリーフレタス、下葉を順次かきとって使うカッティングレタス、タケノコ型で緩い結球のコスレタス、茎を食用にするステムレタスとさまざまな種類に分けられる。

サラダ菜はもともと結球レタスだが、日本では結球させないで収穫・出荷されている。

病害虫の心配なく新たな商品化期待

通常われわれがレタスと呼んでいるものは、パリッとした歯触りがするところから「クリスプヘッドタイプ」と呼ばれているのに対し、柔らかく葉面が滑らかなサラダ葉は「バターヘッド」と呼ばれる。

このように、レタスは形や食感によって多くの種類があるが、色についてもサニーレタスのような赤色、サラダ菜のような緑色をはじめとして、黄色、淡緑色、濃い緑色とさまざまなものがあり、見た目にも楽しめる。

植物工場においても、サラダ菜やリーフレタスだけでなく、パリッとした食感のクリスプヘッドタイプや、その他色や形状が特徴的なレタス類の栽培が行われ始めている。

クリーンな環境下での栽培であり病害虫の心配もないため、病気に弱いという理由で露地では栽培が難しい品種の導入も可能である。

このメリットを十分に生かし、植物工場の普及振興のためにも、葉の形・色・味などが特別な植物工場でしかできない新しいレタスの商品化が望まれる。

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