デザート特集 今年のはやりはカヌレ・ド・ボルドー

1996.07.01 104号 11面

若い女性の間でカヌレ・ド・ボルドーがはやっている。数年前にも一時話題となったが「なぜ今カヌレなのか」との専門家の声もある。

カヌレとは仏語で「みぞ」の意味。焼き型にみぞが付いているのが名前の由来。ボルドー独特の地方菓子で一六世紀ごろ、女性修道院で作られたもの。その中だけで食べられていたといわれているが、ヴィクトリア朝時代にはポピュラーなものだった。

フランスのカヌレ協会の認可を受けている日本でも数少ない店の一つ、パパ・ダニエル(東京都文京区、03・3813・2518)では、カヌレを四年前から販売している。当時は一日一〇個作っても四~五個しか売れなかった。ところが現在は一〇〇〇個を午前と午後に分けて製造販売しているが、店頭に出すとほんの二、三〇分で売り切れるというあまりの人気で一人一〇個に限定し、予約は受け付けていない。

カヌレの人気についてオーナーのダニエル氏は「外がカリッとして中はふんわりとした食感が新鮮であるほか、本場の味を体験した旅行者が増えていることがはやった原因だろう」と語っている。

つまるところ、カヌレ・ド・ボルドーが若い女性に支持された要因は、最近のデザートニーズの典型である食感、本物志向、目新しさのすべてを兼ね備えているからだと思われる。

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