食文化:言葉=茶化す

統計・分析 総合 2006.08.28 9703号 8面

江戸の芝居や読み物には「湯漬け」がしばしば登場してくる。「急いでンだ。湯漬けでいい」てな具合だ。湯漬けは残り飯に白湯をかけただけのもので、いまなら「お茶漬けさらさら」というところだが、当時の茶は高級品。相手に敬意を示してもてなす時の飲み物で、長屋の住人たちには縁がない。 訪ねた先で茶を出されれば、客の方も悪い気はしない。そこで面倒な話がある場合、接待する方は丁重に茶を出して相手の気分を和らげ、面倒ごとを切り抜ける作戦に出た。 そ

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら

書籍紹介