料理人私の健康法(6)リストランテ・オステリア・東中川勝美料理長
「特別健康に気を使うことはありません。普通に働けるのが健康なんでしょうね」と笑う。風邪らしい風邪はひかないという。
秘けつは、スカッシュ、水泳、剣道など高校時代から始めたスポーツと、のんびり過ごした大学時代の余剰体力にあるらしい。剣道は二段で県大会に出場したほどの腕前。結果のほうは聞かずじまいだったが。
自らを評しノンビリ屋という。ただ三年前、味岡前料理長から仕事を引き継いだころは、「わが身を歯がゆく思うことしばしば。思いっきり壁を蹴飛ばしていました」。
怒り心頭の思いも、翌日にはケロリと忘れてしまう。こうした生活術は、年を重ねるごとに板に付いたように見受けられるが、意外に、生来持って生まれたものかもしれない。
「裏表なしのカラリとした性格が気に入り、結婚しました」というティーナ夫人は、生粋のイタリア人。友人に紹介され辞書を見ながら伊、英、日本語での会話を続け三年目。今では日本語一本で意思の疎通を図れるようになった。
無類の人間好きは、趣味のカメラの被写体に人を選ぶところにも現れており、「ついレンズを向け誤解を受けてしまう」が、休日になると懲りずに二子玉川近辺をぶらつき、盗み撮りを楽しむ。
緊張した職場での生活とギターやカメラを片手に気ままに過ごす休日、このメリハリが仕事のエネルギーとなっているようだ。
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<東中川勝美(ひがしなかがわ・かつみ)料理長のデータ>リストランテ・オステリア(東京都港区六本木六-六-九、ブリジストン六本木ビル・ピラミデ三階、電話03・3475・1341)料理長/生年月日=昭和40年7月3日、かに座/血液型=O型/身長・体重=一七五㎝、六五㎏(あまり変動なし)/酒・たばこ=仕事の終了時間が遅いため、仕事場か自宅で飲むことが多い。量は一日ワインをハーフボトル。休日は、料理に合わせ洋食ではワイン、和食で日本酒、中華は紹興酒が飲めずビール一辺倒。たばこは、セブンスターを一日一箱。