まかない味シュラン(9)北京飯店 砂糖使わずが原則
神奈川県は大和市、中国料理「北京飯店」のまかない食は、手のあいている新人が、余った材料を使って、炒め物、煮物、あえ物の三品を作ることになっている。
まかない食は、新人の調理技術の向上を図るためのものだが、ここの店ではそのポイントとして、砂糖を使わないで調理することを原則としている。
「砂糖を使わない調理は、素材や味の原型を覚える訓練となります。醤油や塩、酒や油の使い方で甘みがでることを知るのも勉強です」
料理長の関雄二さんはこう語る。
関さん自身、修業中のまかない食で「醤油を鍋肌にすることで、香ばしさが甘みとなることを覚え、煮物でも油の使い方(タイミング)で甘みが出ることを覚えました」という。
「砂糖を使わないで甘みを出せる技術を身につけて初めて、砂糖の便利さとその使い方が分かります」
「料理は甘みが肝心です。素材の甘み、砂糖の甘みを使いこなしてこそ、初めてうま味調味料の生かし方も分かってくるのです」
一つの料理を大量に作らせるのも、技術指導のポイント。
「一〇人前を作る場合、一人前に使う調味料を一〇倍にすれば良いというわけではない。まかない食の大量調理で調味料の伸び方を知り、宴会料理の調理技術が習得できる。中国料理のだいご味は宴会料理だから、新人にとってこの技術習得は必須です」という。
こうした北京飯店で人気のあるまかない食の定番は、次の二品。
<豚肉の生姜焼き>
身近な豚バラ肉を使った、まかない食の定番。ご飯のおかずにピッタリで、新人にとっては好物のメニュー。
<中華サラダ>
余った野菜類、肉類を合わせて中華ドレッシングで食す。必ず食卓に並ぶという野菜豊富なヘルシーまかない食。
◆「北京飯店」=神奈川県大和市中央二-四-一八、電話0462・61・7160