ピザ・パスタ 地ビールとピザ・パスタのおいしい関係「ラフレシア」

1998.06.15 154号 10面

国道一三五号線沿いのレストラン「ラフレシア」。斜め向かいに伊豆高原美術館、近隣にはぐらんぱる公園や大室山があるため、立地条件はまずまず。客足も平日より土・日・祝日に集中する。そのため、二〇〇席用意していても昼間は待合席に人があふれる。待っている時間を楽しんでもらうため、待合席の前ではピザ生地をのばすところから窯入れまでのすべての工程を見ることができる。

待っている間に見るため、当然ピザは大人気。人気のピザは一日で二〇〇枚以上出ることもある。一番人気は「地ビール飲みのためのピザ」(一二八〇円)。アンチョビの塩味とオリーブ、ニンニクが味のバランスを保つ。「うーん、ビール!」と思わず言ってしまうピザに仕上がっている。

「ネーミングの良さもあるとは思いますけど、ゴールデンウイークなんかは一日に三〇〇枚出た日もありました」と木下店長。

確かにネーミングにも食欲や好奇心をそそられる。ほかにも、噴火したピザ、イモな奴の盛り合わせ、しつこい男のライスコロッケなど、メニューにはユニークな名前が並ぶ。「社長がうなりながら考えたメニュー」は大成功となった。

店の構想を練る時、地ビールに合って流行しそうなものを考え、ピザ・パスタを選んだ。料理はソースに関しても最初からの手作り。使う素材は厳選し、魚は地元でとれたものを生かしたメニューを組む。今この時期限定のホウボウを使った旬のメニュー「伊豆のアクアパッツァ」(一四八〇円)が味わえる。ホウボウを水炊きすることで、その味が最大限に楽しめる。

川奈へロシアのエリツィン大統領が来日した時は、ロシアの黒生ビールを限定醸造し、伊勢エビとカスピ海でとれたキャビアを使用してロシア風スパゲティーをメニューに入れるなど、素材の旬ばかりでなく、話題の旬も客へ提供している。

これだけのこだわりと工夫がされたレストランだが、ここでのメーンは何といってもビール。「伊豆高原ビール」は、伊豆半島では第一号のビール製造免許を取得。一回に一〇〇〇lずつ造るビールはいつでも出来たてが味わえる。市販のラガータイプより、豊かな香りが楽しめるエールタイプ。黄金色の大室とブラウンの大城の二種類はいずれもアルコール五%、モルト一〇〇%の生酵母が入った生きているビール。

ビールが苦手な人にはビールのカクテル(各四五〇円)、やまもものジュース(ソフトドリンク三五〇円)といったオリジナルドリンクでも楽しめる。ビールは持ち帰り用(一l一九八〇円・保冷箱付)があるが、二回目から瓶を持ってきた人は九八〇円で購入できる。

「瓶も大量生産ではないので、どうしてもコストが高くついてしまいますが、この“通い瓶”は東京から来るお客さんにも良く利用されています」と、リピーターの反応も読み取れる。

ビールとピザと伊豆高原の三つの組み合わせがおいしさと開放感を生み出している。

◆レストラン「ラフレシア」(伊豆高原ビール)/店舗責任者=木下友之/創業=平成9年3月1日/所在地=静岡県伊東市富戸一一〇三-二一、電話0557・51・3000/営業時間=サマータイム午前11時~午後9時、ウインタータイム午前11時~午後8時、無休/店舗坪・席数=醸造所込み一九〇坪・二〇〇席/客単価=昼一六〇〇円、夜一九〇〇円/平均月商=一八〇〇万円/一日来店客数=三〇〇人/ピザの消費量の多い(人気)トッピング=アンチョビ/チーズの種類=モッツァレラ/粉の種類と配合=薄力粉4対強力粉1/オリーブオイルのブランド=コスタドーロ、アロモリオ、ラ・ジアーラ、カルボネル/ピザ生地の量、パスタの量=一四〇g、一二〇g/パスタのブランド=ポンテ/店のセールスポイント=地元の素材を使ってリーズナブル/シェフの料理に対するこだわり=ソースから手作り。

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