まかない味シュラン(16) 中国料理「開楽」

1998.10.05 163号 24面

厚木インターからほど近い、国道沿いに位置する「開楽」。総面積五〇〇坪の広い店舗は地元の人たちが宴会場としての利用が多く、その八割を中高年層が占める。料理は地元でとれる食材や、日本人の舌に合う味を追求し、「日本人がつくる四川料理」をふるまう。中高年層には魚を中心に、女性客にはデザートに工夫をもたすなど、客と向き合った姿勢を心がける。八〇〇円からのランチメニュー、カラオケサービス、料理七品付きの二五〇〇円パックといったサービスをアピールし、若年層や家族客、女性客の獲得をねらう。

料理人一一人のうち、新人の三~四人がスタッフ三〇人分のまかない食を担当する。

「まかないは一週間交代でひとりが担当します。当番になる前の週に、レシピを書いた一週間分のメニューを組ませて提出させます。一週間を通した献立を組むことで調和を知って、メニュー構成が身につけられるように、と考えて始めました」と榎本調理長。

メニューには夏なら夏バテ対策や体力のつくもの、冬なら体のあたたまるものなど、季節のテーマも忘れないよう指示する。

「まかないでは、いかに能率よく三〇人分をつくるかを体で覚えるよい機会だと思いますね。朝出社してまず時間のかかるスープのだしをとる。午前11時に食べることを考えて、時間の配分をし、手早く順序を把握させるのがまかないの意義でもあります」

宴会場としてよく利用されているこの店で、調理の際パニックに陥らないための訓練も兼ねている。

若い人の組むメニューには、揚げ物やボリュームのあるものが多いが、「一度マレーシアの唐辛子と刺身醤油だけでつくったさっぱり味のサラダドレッシングが出てきまして、あれはシンプルだけどセンスを感じましたね」と、時々調理長もうなるものがあるとか。

ベトナムスープ

■作り方 牛のスジ肉、ニンジン、大根、セロリを水といっしょに器に入れ、せいろで二~三時間蒸す。唐辛子、クコの実を入れて塩で味つけする。

サラダ

■作り方 (ドレッシング)バルサミコ酢、ラー油、醤油、(水につけておいた)鷹の爪を混ぜる。サラダに入れたルッコラは試食をかねている。

手羽先の唐揚げ

■作り方 蒸し鶏に使わない手羽先を唐揚げする。鍋にネギ、刻みパセリをごま油で炒めて、醤油を香りづけにする。そこへ手羽先の唐揚げをからめる。

鶏むね肉の焼き鳥風

■作り方 鶏むね肉の不要部分を小さく切って、鍋で炒めてコロコロとじっくり焼いていく。ソースは醤油、砂糖、酒、ニンニク・ショウガのみじん切りを炒め、ごま油をかける。最後に一味または七味唐辛子をかける。

▼所在地・電話=神奈川県厚木市酒井三一七七、Tel0462・28・1177▼創業=昭和53年4月▼営業時間=午前11時~午後10時(宴会は午前0時まで)、年中無休▼坪数・席数=五〇〇坪・四五〇席

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