カフェ特集:高価格カフェ
最強のパパママストア。第一次コーヒー専門店時代(昭和46年~55年)の健全発展型と位置づけられる。コーヒー・紅茶の売上構成比率は六〇%以上。高い文化性とヒューマンタッチなフレンドリーサービスを継承し、顧客の回帰性も高い。時代変化の影響を受けにくいカテゴリーレスの魅力がある。
商品へのこだわり度は高く、それだけに多店化が難しいとされていたが、近年は二つの成功事例が目立っている。
一つ目は、出店条件の緩和と競合店の激変により、繁華街一等地やデパート、SCへの出店が可能になったこと。低原価率の業態は高家賃比率にも耐えられる。この儲けの構造に気づいた異業種、企業が喫茶業界に新規参入するようになった。
二つ目は、「コンチネンタルカフェ」の完全導入である。前者が従来のコーヒー専門を基軸とすることに対し、完全なアトモスフェアマーチャンダイジング(雰囲気は商品という政策)によって、カフェの持つ快適性や文化性を前面に出したものである。ヨーロッパのサロン・ド・テやカフェをモチーフ(主題)とし、什器、備品、演出に至るまで実物を忠実に再現している。
新感覚のフロアサービス
キャッシングはテーブルで行うなどサービスも独特で、従来の喫茶店におけるサービス慣習は皆無である。こうした新感覚は、グローバルスタンダード化の進む若年層の喫茶利用動機を大きく促した。これらカフェのエスプリは他の外食産業にも波及し「カフェは文化なり!!」を証明することにもなっている。