で・き・る現場監督:バドワイザーカーニバルマネジャー・酒井勇次さん
「二年で八店舗展開」「二ヵ月で減価償却」など、近ごろ話題のバドワイザーカーニバルは、名古屋に本社をもつセラヴィリゾート(株)経営のチェーン店。名古屋、大阪、そして東京・新橋に出店し、八店舗目をこの3月に横浜・桜木町にオープンさせた。新橋店、横浜店の両方のかじを取る酒井マネジャーに、横浜店のことを中心に聞いた。
オープンにあたって、チラシを手配りやポスティングで一〇万枚配った。バドガールというインパクトで七時間の営業時間内に連日四〇〇人もの人が押し寄せた。
「ピーク時が午後6時の新橋店に比べると、横浜店のピークは7時を回ってからで、一時間ほど遅いんです。よって、回転数も少し遅くなります。その時間を早めていくのが当面の課題だと思います」とマネジャーの酒井勇次さん。
新橋店のオープンのため、名古屋から東京へ来たのは昨年の秋。今はオープンしたばかりの横浜店を主に、二店舗目をまとめている。
「(横浜店は)3月に開店したばかりなので売上げは上々。これから夏に向けてもっと上がっていくと思います」
好調な出足を強調する。
「でも、問題は秋、冬、そして一年後です。これまで出店してきた支店は、一年くらいで売上げが下降する傾向があるようです。私は新橋と横浜の店舗ではそうならないようにするつもりです」
バドガールという強力なインパクトだけでは、長期間店を維持するのは難しい。まして、オープン月商が四〇〇〇万円という店ではなおさらだ。
「いつもオープン月商がよいので、これまでオープンしたてはこれといって店や方針に手をつけずにやってきましたが、新橋と横浜においては三ヵ月ごとにメニューの見直しをするなどして、充実度を高め、冬が冬眠の時期とならないよう、今からリピーターの確保に力を入れています」
接客の要となるのが、バドガール。
「店では『笑顔、さわやか、明るく、健康』をモットーにしています。ですからお客さまの写真撮影はお断りさせていただいていますが、お酒の入ったお客さまが相手ですから、線引きは難しいです」
セクシーな女性が『明るく、健康的に』ビールを運ぶ、という基本線を崩すお客にはまずは女性がお店の趣旨を説明し、それでもお客がわからなければ男性のスタッフが対応する。
「幸い関東の二店ではその辺りを理解してくれるお客さまが多いので、安心しています」
酒井さんは、はじめはバドガールがとっかかりでも、それだけの店にはしたくないと、サービスの向上、接客の指導には力を入れている。
「ピーク時には、まだまだサービスができていないところがあるんです。ですからその場その場でこまめに指導しています。常に笑顔でさわやか、気配りのできる従業員を育てていきたいです」
決して今の状況に甘んじない姿勢がうかがえた。
◆さかい・ゆうじ(バドワイザーカーニバルマネジャー)=昭和46年生まれの二八歳。セラヴィリゾートに二四歳の時入社。名古屋のイルバザール(居酒屋)の店長を任されたが、二年前バドワイザーカーニバルの立ち上げで、マネジャーとなる。新橋店、横浜店を担当し、今後も店舗の拡大に努める。新婚生活を楽しむ余裕はなかなかないが、8月に生まれる第一子の誕生を楽しみにしている。
◆セラヴィリゾート(株)/代表取締役=吉留達也/本部所在地=愛知県名古屋市中区上前津一‐四‐一二、Tel052・323・5861/店舗数=(直営店だけ)一六店舗
◆バドワイザーカーニバル横浜店/神奈川県横浜市中区花咲町一‐二二‐二、ブリーズベイホテル二階、Tel045・252・7578/店舗面積=一五〇坪・二五〇席/従業員=正社員四人、アルバイト五七人/客構成=二〇代~四〇代のサラリーマン、男性八割/客単価=三五〇〇円