緑茶特集 煎茶の来た道 大槻幹郎
一七世紀の半ば、寛文元年(一六六一)のこと、当時日本一の茶どころ、山城宇治の地に、黄檗山萬福寺が創建された。このことは宇治茶の歴史にとっても、また茶の文化にとっても、画期的な時代を迎えるきっかけとなった。 ここに臨済宗黄檗派と呼ばれた新しい禅宗教団の大本山が出現し、今日の禅三宗の一派黄檗宗が開宗された。これは当時の日本仏教に革新の気を吹き込んだのみならず、中国明清文化を積極的に受け入れ、近世江戸時代の文化を豊かなものにするきっかけともなった。茶の文化の
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