漢方ダイアリー:冷えて辛いんです

2009.12.10 173号 08面
「参馬補腎丸」

「参馬補腎丸」

「婦宝当帰膠」

「婦宝当帰膠」

 ●12月10日(木)

 この季節は朝晩だけでなく、日中も手足が冷えて辛い。厚着をしても改善しないのはなぜかしら。

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 本格的な寒さが到来し、暖房の温もりが恋しい季節となりました。

 冷えは季節を問わずみられますが、冬は特に症状が強くなり、手足が冷える、腰が冷えて痛むといった悩みを抱える人も多いのではないでしょうか。

 冷えの主な原因と考えられるのは、薄着、運動不足、身体を冷やす食生活、ダイエットなどさまざまです。まずは生活習慣を見直しましょう。

 ◆中医学で考える冷え

 冷えといっても、原因は人それぞれ。タイプ別に対処しましょう。

 ○「陽気不足」タイプ

 身体を温める作用のある陽気が不足すると、手足だけでなく身体全体が冷え、ときには痛みを感じることも。高齢者や虚弱体質の人などに多くみられるタイプです。陽気は「腎(生殖ホルモン系)」と深いつながりがあるため、陽気不足による腎の機能低下(むくみや間尿、尿トラブルなど)にも注意が必要です。

 おすすめの食材は身体を温めるにら、ねぎ、しょうが、山椒、唐がらし、エビ、羊肉、牛肉などです。

 漢方薬では、「腎」の陽気を補う生薬がバランスよく配合された『参馬補腎丸(じんばほじんがん)』や『八味地黄丸』などがよく使われています。

 ○「気血(きけつ)不足」タイプ

 身体を温め栄養成分を運ぶ「気(エネルギー)」と「血(けつ)」が不足すると、手足の先が冷える、顔が青白い、疲労、生理の時に冷えを感じやすくなるなどの症状が現れます。比較的女性に多くみられます。胃腸虚弱なども原因の一つとなりますので、食欲が落ちてきたら注意をしましょう。

 おすすめの食材はキノコ類、なつめ、枸杞の実、鶏肉、豚肉、うなぎなど。

 漢方では、気血を補う生薬配合の『婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)』がよく使われています。

 このほか、「〓血(おけつ)(血行不良)」は、身体の隅々まで血液が行き渡らず、冷えてしびれる、痛むなどの症状が出やすくなります。

 日常生活では、お風呂にゆっくりとつかり身体の芯まで温める、湯たんぽを使う、手首や足首を冷やさない工夫をするなどで冷えを防ぎましょう。

 ●東洋エクササイズ:身体を温めるツボ

 ・三陰交(さんいんこう)…胃腸の働きを高め、気血を生む三陰交(内くるぶしから指4本分上)。

 ・関元(かんげん)…陽気を補い身体を温める関元(おへその真下、指4本分下)。

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