月刊・漢方美人:もしかして更年期でしょうか…?
Q.このところ身体が重だるく、疲れがとれません。手足は冷え、腰痛もあります。イライラすることも多く、“更年期”ではと心配です。(30代女性)
A.ストレスやダイエットが原因の若年性更年期障害かもしれません。
女性にとって更年期とは、加齢とともに卵巣機能が低下し、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少しホルモンバランスが乱れる時期のことを指します。
最近は20代や30代でも、ストレスや極端なダイエット、不規則な生活習慣や運動不足などにより自律神経が乱れ、卵胞ホルモンが正常に分泌されなくなり、のぼせやほてり、頭痛や動悸、イライラなどの更年期特有の症状に悩んでいる女性が多いようです。これらは総称して「若年性更年期障害」と呼ばれています。
卵巣機能が低下すると、そのまま閉経してしまう恐れもあるため、早めの対策が必要です。
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中医学では更年期は性ホルモンや自律神経系、泌尿生殖器系を司る「腎」の充実度が大きな鍵を握っていると考えます。「腎」の充実度は女性は7の倍数で表すことができ、28歳から35歳までが最も充実している時期です。それ以降「腎」の機能は衰退していきます。
更年期の年代(40代半ば以降)より早い年齢でその症状が出ている場合、月経のリズムを取り戻し卵巣がきちんと働くようにすること、つまり「腎」を補い強化することが重要です。
まずはストレスの多い環境や食生活を見直し、適度な運動をするよう心がけましょう。
漢方薬では「腎」を補いパワーアップしてくれる『参馬補腎丸』がおすすめです。
◆シノアカフェ:三穀ミルク
とがった気持ちがラクになる、やさしい味。大豆イソフラボンもたっぷり。
〈材料・2人分〉
・牛乳カップ2
・小豆(ゆで小豆)……200g
・黒豆大豆きなこ…大さじ1
・松の実適量
〈作り方〉
(1)松の実以外の材料をすべてミキサーに入れて回す。
(2)グラスに注ぎ、松の実を散らす。
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『お部屋で「薬膳カフェ」』(七沢なおみ著・祥伝社)から
◆東洋エクササイズ:ストレスを緩和するツボ
「腎」は「肝」とセットでケアすることが大切。「肝」のツボ、太衝(足の甲、親指と人差し指の骨の分かれ目の所。つけ根)を9回押して1クールを3回。女性の場合は右脚が先、次に左脚(男性は逆)。
◆私の体験談:参馬補腎丸で若年性更年期障害の症状から回復(主婦・33歳、大阪府)
3年前に結婚し、仕事を続けていましたが、疲れがなかなか取れなくなり1年ほど前に会社を辞め、主婦業に専念するようになりました。環境が急変し社会とのつながりがなくなる不安感で、食欲がなくなり、精神的にも落ち込むことが多くなっていきました。それに主人は仕事で帰りが遅く、話を聞いてもらえないことも精神的なストレスでした。
それから数ヵ月、同じような生活が続きました。ストレスからか、それとも痩せてしまったことが原因なのか、生理の量が減り、手足のこわばりや背中の痛みを感じるようになりました。
そんな時、ふと雑誌をめくっていたら、若年性更年期障害と呼ばれる症状と一致しており、とても驚きました。
早速いつも見かける近所の漢方薬局へ相談に行ったところ、中医学で性ホルモン系を指す“腎”のパワーが不足していて、それを補う役割をする脾胃の働き(食べ物を消化吸収しエネルギーに変える力)も弱くなっているとか。そのために疲れやすく冷えなどの症状も現れているとのこと。
薬局では胃腸を整えながら元気をつける『参馬補腎丸』と血流を改善する『冠元顆粒』の2種類の漢方薬を勧められました。
1ヵ月ほど経ち、手足のこわばりなどはあまり気にならなくなりました。
薬局の方からは、生理が回復するのにはもう少し時間がかかると言われています。調子が良いのでこのまま続けてみようと思っています。
問い合わせ先:日本中医薬研究会事務局 電話03・3273・8891
http://www.chuiyaku.or.jp